しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「えっと、おいらは誰だっけ?」~Cash On Delivery~

2007年02月10日 | 観劇
2007.1.24(水)~2.4(日) 青山円形劇場
作・マイケル・クーニー    演出・綾田俊樹    
<ストーリー>
会社を首になったエリック・スワンはそのことを妻のリンダには言えないでいた。
エリックは社会保障金を架空の同居人を作り上げ、不正に受け取りそれで妻をごまかして来た。
ある日、社会保障局の役人がその調査に来る。
エリックは役人が会いに来た人物になりすまし、その場をかわそうとするが、役人はエリックにも会う必要があるという。エリックは下宿人のノーマン・バセットを自分に見立てようとする。
しかしその朝、ノーマン・バセットはラッサ熱で死亡したので、もう失業保険などはいらないと社会保障局に連絡していた。
その連絡を受けた協区の世話係りが葬儀の手伝いにスワン家を訪れて来る。
ノーマンはいつのまにか死んだノーマン・バセットと息子にされていた。

その後も次々と色々な事が起こり、大騒動になる物語。

<感想>
どたばたコメディで、とても面白く、ずっと笑いっぱなしだった気がする。
とてもテンポもよく、軽快な会話の応酬。
そういえば、みなさん滑舌もよく詰まったり、引っ掛かったりがなかったのが、凄い。とってもおかしいのに、笑わずに対応しているのも凄い。
だからこの世界に入り込んで楽しめた。
「えっと、おいらは誰だっけ」と混乱しそうになるのは、エリック(岡田達也)とノーマン(小林隆)。
ノーマンは乗り気ではないがエリックの勢いに押されて女装までしてしまう。
エリックも本当は「良い人」なのだが、本当のことが言えなくて、収集がつかなって焦って必死になっているのが気の毒で、応援したくなる。
本人達が混乱しているほど、観ている方は混乱せずわかりやすいストーリーだったけれど、粗筋を書くとなると次から次と盛り沢山過ぎて、書けない。
死んだと嘘を言った時、「ラッサ熱」なんて言って、それはまずいのではと思った、伝染病だよね。まさにそれが騒ぎのひとつになる。どうしてラッサ熱なんてエリックは浮かんだのだろう。

エリックの役は岡田達也さんにぴったりだった。優しいし、本当は悪いことなんて出来ないのだけれど、ついその場の雰囲気に流されてしまう、気の弱さもある。あたふたしている所が可愛くもあった。
小林さんは、「新選組の源さん」として知っているが、その雰囲気をそのまま持っている、ほんわかした感じがよかった。明日結婚式だから、幸せいっぱいでもあるのだけれど。まさか女装姿が見られるとは。        
その婚約者はブレンダ(キャラメルの實川貴美子)。
こんな若い婚約者ならノーマンのとろける笑顔も分かる。でも、ノーマンとブレンダとの結婚はどうなったのだろう。ちゃんと誤解が解けて納まったのだろうか。この結末がなかったのが、ちょっと気になった。
おかしいだろうに、淡々としていたのがミス・チェシントン(江口のりこ)。無表情なのだけれど、相手の気持ちを思いやっているのもわかるし、この人の周りだけなんか涼しげな空気がある感じがした。
調査に来たミスター・ジェンキンズ(斎藤歩)。
この人は小林さの役が耳が聞こえないと分かると、一生懸命ジェスチャーをまじえて話すのだが、そのジェスチャーが一瞬、「えっ、何?」という感じだったのだが、すぐに分かって、それがまたおかしい。一生懸命の熱演で、最後は雷にうたれてしまって、最後まで熱演。
ジェンキンスさんが上司のミズ・クーパー(峯村リエ)のことを話して想像していたが、実際に登場したミズ・クーパーが想像した通りの人だった。それもまたおかしかった。貫禄のある上司。
ひとりキャラクターが異質だったのがエリックの叔父さんのジョージ(綾田俊樹)。
コメディだけれど、他の出演者はみんなシリアス風なのに、一人だけコメディ役者の様だった。動きもコメディで、ひとり浮いているのがまたおかしくもあるのだが。                       
葬儀社のミスター・フォーブライト(土屋裕一)
この人もきちんと仕事をこなす真面目な好青年。ひたすら職務を全うしようとする。
リンダ・スワン(村岡希美)
ちょっときつそうな奥さん。岡田さんのエリックとは正反対な感じしたが、だから合うのかな。
ドクター・チャップマン(木村靖司)
精神科医なのだが、洒落者という感じであんまり信用出来そうにないお医者さんだった。
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