「なのはな」 Studio Life
2019.2.27(水)~3.10(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
原作 萩尾望都
脚本・演出 倉田淳
上演時間 60分
<物語>
阿部ナホは福島で暮らしている小学校6年生の女の子。
震災の津波でばーちゃんは行方不明のまま。
ナホの家は原発の近くだったので避難先へ移り住み、
祖父、両親、兄の家族5人で生活している。
ある日、ナホは夢の中でばーちゃんと再会する。
ばーちゃんのもとへ案内してくれたのは
人形を手にした見知らぬ西洋人の女の子だった。
あなたは誰・・・?
夢の中で二度目に会った時、
女の子は、ばーちゃんの使っていた花の種まき機を持っていた・・・。
<チラシより>
<キャスト>
ナホ 松本慎也(クークラ) 関戸博一(ツヴェート)
学 宇佐見輝(クークラ) 千葉健玖(ツヴェート)
父 船戸慎士
母 仲原裕之
じーちゃん 倉本徹
ばーちゃん 若林健吾
女の子 伊藤清之(クークラ) 松本慎也(ツヴェート)
藤川さん 藤原啓児
石田音寿 明石隼汰(客演)
他の出演 牛島祥太 鈴木宏明
原作の漫画は読んでいなく、短編と言う事も知らなかった。
上演時間60分は、ライフでは初めてだろう。
時間の短さは感じたが、内容が深く重いだけに気持ちはいっぱい。
東北大震災から8年になるが、テレビや新聞などで見てもまだまだ復興したとは言えない。
と言うか、2度と元に戻る事はないのだと痛感する。
始めのナホのモノローグで、胸が痛くなる。
ああ、こんな風に喪失感をかんじているのだ、と。
時間も短いが、台詞も少ない。
それでも相手の言葉や動作に、敏感に反応している様子が見て取れる。
小さな動きや表情で、色々な思いが伝わって来る。
学校の生活も放射線量を気にして、いつも緊張感があるのだ。
日常とはほど遠い。
みんなの思いをはっきりと伝えてくれるのが、音寿の歌。
ストレートに伝わって来て、圧倒される。
歌には力がある。
大切な事は忘れてはいけない事。
忘れていないと伝える、その地の商品を買う、その地を訪れる。
そして、原発にも反対して行きたい。
福島の事故を想定外と言いつつ、再稼働する所は安全が確認されたからと言う。
また想定外の事が起きないとどうして言えるのだろう。
ここまでは想定しているがそれ以上だと分からない、と言ってくれた方が納得する。
そのリスクを取るかどうかで判断するべきではないのだろうか。
原子力は人間がコントロール出来るものではない。
だから、そのリスクは取りたくない。
今の時代、便利さを最優先させるが、少しくらい不便になっても安全に暮らしたい。
そうでなくても自然災害が多く、不安な要素はある。
原発事故は人災。
1人1人がしっかり考えて意見を持つことも大事なのだろう。
最後に『なのはな』をみんなで歌った後、ひとりひとりが「なのはな」と声を出す。
その「なのはな」にそれぞれの思いが込められている。素敵だった。
歌と言葉のラストは、未来を見据えて、頑張っていこうと言う気持ちが伝わる。
ただテレビ番組などで、壊れた家に住み続けるしかない人や、行政の支援から取り残されてしまった人。
未来を望めない人もいる事を知ると、明るい気持ちになっていられない気もする。
〈役者さんの感想〉
ナホは松本さんと関戸さんの同期のW。
何となく似た感じの2人。
関戸ナホの方がしっかりとして、松本ナホの方が感情が素直に出ている感じ。
チェルノブイリの少女との場面は、同期の2人だと対等な感じでぴったりだった。
伊藤さんは年下に感じた。
少女は台詞もなく大変だったと思うが、松本少女の訴える眼差しがとても印象的で、流石先輩。
伊藤少女は、まだそこまでは。
でも、可愛くて最後にナホに分かってもらった時にニッコリ笑った笑顔が本当に可愛かった。
伊藤さんのツイッターで目が青いのを知った。
伊藤少女だけかと思っていたら、松本少女も青い目だった。
学は2人とも中学生に見える。
白いワイシャツに黒いズボンが違和感なく、そして2人ともナホより後輩だけで、しっかりお兄ちゃん。
じーちゃんは、本来ひょうきんで明るい性格のんびりした性格。
ばーちゃんがしっかり者でじーちゃんも見守っていたのかなー。
若林ばーちゃんも台詞がほとんどない中、表情で思いが伝わる。
落ち着いた優しい笑顔や寂しそうな表情と変化がはっきり。
仲原母は、最近すっかり女性役も板に付いて来た。
今回は本当に普通の、地味なお母さんだった。
それが、ばーちゃんの話を聞いて昔の事を思い出して娘に戻った時は瞳がキラキラして少女になっていた。
船戸父は、父だけ名前がなくて、自分で付けたそうだ。
それを教えてくれたのだが・・・忘れた。
船戸父は本来の船戸さんのイメージそのままの感じ。
音寿の歌を聞いて泣くが、あれはじーちゃんを見て、貰い泣きしたのかな。
本当に泣いていた。
自分も歌でも泣いたけど、船戸父を見て貰い泣きした。
明石隼汰さんは、今回に舞台で初めて知った。
漫画のモデルになって、出演と言う事は自分の役と言ってもいいのかな。
とても自然な感じで存在感があった。
明石さんにも、倉田さんのダメ出しはあったのだろうか?
牛島さんと鈴木さんは先生と児童の役を交代に。
それぞれとても自然で、落ち着いて演技が出来るようになったんだなーと。(偉そうに、申し訳ない)
2019.2.27(水)~3.10(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
原作 萩尾望都
脚本・演出 倉田淳
上演時間 60分
<物語>
阿部ナホは福島で暮らしている小学校6年生の女の子。
震災の津波でばーちゃんは行方不明のまま。
ナホの家は原発の近くだったので避難先へ移り住み、
祖父、両親、兄の家族5人で生活している。
ある日、ナホは夢の中でばーちゃんと再会する。
ばーちゃんのもとへ案内してくれたのは
人形を手にした見知らぬ西洋人の女の子だった。
あなたは誰・・・?
夢の中で二度目に会った時、
女の子は、ばーちゃんの使っていた花の種まき機を持っていた・・・。
<チラシより>
<キャスト>
ナホ 松本慎也(クークラ) 関戸博一(ツヴェート)
学 宇佐見輝(クークラ) 千葉健玖(ツヴェート)
父 船戸慎士
母 仲原裕之
じーちゃん 倉本徹
ばーちゃん 若林健吾
女の子 伊藤清之(クークラ) 松本慎也(ツヴェート)
藤川さん 藤原啓児
石田音寿 明石隼汰(客演)
他の出演 牛島祥太 鈴木宏明
原作の漫画は読んでいなく、短編と言う事も知らなかった。
上演時間60分は、ライフでは初めてだろう。
時間の短さは感じたが、内容が深く重いだけに気持ちはいっぱい。
東北大震災から8年になるが、テレビや新聞などで見てもまだまだ復興したとは言えない。
と言うか、2度と元に戻る事はないのだと痛感する。
始めのナホのモノローグで、胸が痛くなる。
ああ、こんな風に喪失感をかんじているのだ、と。
時間も短いが、台詞も少ない。
それでも相手の言葉や動作に、敏感に反応している様子が見て取れる。
小さな動きや表情で、色々な思いが伝わって来る。
学校の生活も放射線量を気にして、いつも緊張感があるのだ。
日常とはほど遠い。
みんなの思いをはっきりと伝えてくれるのが、音寿の歌。
ストレートに伝わって来て、圧倒される。
歌には力がある。
大切な事は忘れてはいけない事。
忘れていないと伝える、その地の商品を買う、その地を訪れる。
そして、原発にも反対して行きたい。
福島の事故を想定外と言いつつ、再稼働する所は安全が確認されたからと言う。
また想定外の事が起きないとどうして言えるのだろう。
ここまでは想定しているがそれ以上だと分からない、と言ってくれた方が納得する。
そのリスクを取るかどうかで判断するべきではないのだろうか。
原子力は人間がコントロール出来るものではない。
だから、そのリスクは取りたくない。
今の時代、便利さを最優先させるが、少しくらい不便になっても安全に暮らしたい。
そうでなくても自然災害が多く、不安な要素はある。
原発事故は人災。
1人1人がしっかり考えて意見を持つことも大事なのだろう。
最後に『なのはな』をみんなで歌った後、ひとりひとりが「なのはな」と声を出す。
その「なのはな」にそれぞれの思いが込められている。素敵だった。
歌と言葉のラストは、未来を見据えて、頑張っていこうと言う気持ちが伝わる。
ただテレビ番組などで、壊れた家に住み続けるしかない人や、行政の支援から取り残されてしまった人。
未来を望めない人もいる事を知ると、明るい気持ちになっていられない気もする。
〈役者さんの感想〉
ナホは松本さんと関戸さんの同期のW。
何となく似た感じの2人。
関戸ナホの方がしっかりとして、松本ナホの方が感情が素直に出ている感じ。
チェルノブイリの少女との場面は、同期の2人だと対等な感じでぴったりだった。
伊藤さんは年下に感じた。
少女は台詞もなく大変だったと思うが、松本少女の訴える眼差しがとても印象的で、流石先輩。
伊藤少女は、まだそこまでは。
でも、可愛くて最後にナホに分かってもらった時にニッコリ笑った笑顔が本当に可愛かった。
伊藤さんのツイッターで目が青いのを知った。
伊藤少女だけかと思っていたら、松本少女も青い目だった。
学は2人とも中学生に見える。
白いワイシャツに黒いズボンが違和感なく、そして2人ともナホより後輩だけで、しっかりお兄ちゃん。
じーちゃんは、本来ひょうきんで明るい性格のんびりした性格。
ばーちゃんがしっかり者でじーちゃんも見守っていたのかなー。
若林ばーちゃんも台詞がほとんどない中、表情で思いが伝わる。
落ち着いた優しい笑顔や寂しそうな表情と変化がはっきり。
仲原母は、最近すっかり女性役も板に付いて来た。
今回は本当に普通の、地味なお母さんだった。
それが、ばーちゃんの話を聞いて昔の事を思い出して娘に戻った時は瞳がキラキラして少女になっていた。
船戸父は、父だけ名前がなくて、自分で付けたそうだ。
それを教えてくれたのだが・・・忘れた。
船戸父は本来の船戸さんのイメージそのままの感じ。
音寿の歌を聞いて泣くが、あれはじーちゃんを見て、貰い泣きしたのかな。
本当に泣いていた。
自分も歌でも泣いたけど、船戸父を見て貰い泣きした。
明石隼汰さんは、今回に舞台で初めて知った。
漫画のモデルになって、出演と言う事は自分の役と言ってもいいのかな。
とても自然な感じで存在感があった。
明石さんにも、倉田さんのダメ出しはあったのだろうか?
牛島さんと鈴木さんは先生と児童の役を交代に。
それぞれとても自然で、落ち着いて演技が出来るようになったんだなーと。(偉そうに、申し訳ない)
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