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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「追悼者」  折原一

2012年07月07日 | 読書
「追悼者」  折原一        文藝春秋

浅草の古いモルタルアパートの一室で女性の絞殺体が発見される。
遺留品から、さいたま市浦和に住む大河内奈美30歳だと判明する。
大河内奈美は、東京丸の内にある大手旅行会社に勤務していた。
付近の証言などから、奈美は売春の為に浅草にいたと分かる。
マスコミはそれを「丸の内OL殺人事件」として大々的に取り上げる。
ノンフィクション作家の笹尾時彦は、この事件を書こうと、大河内奈美の出生からの取材を始める。




取材をして証言から、大河内奈美という人物をはっきりとさせていく。
惑わすような人物や記述があるので、騙されないように気をつけながら。
そんな展開は面白かったのだが。
読んでいて、どうしてこの事実は突っ込んで書かないのだろうと思うものがある。
それは真犯人に結びつくことだから。
だから、この事が何かあると気が付くのだが。
それが分かってしまうのと、隠されていることに落ち着かない気持ちになる。
大河内奈美の本当の人物像が、最後まで分からなかった。
優秀な穏やかな人物とか、虚像の部分も分かるが、“いじめ”の部分はどうだったのだろう。
気になることがそのまま残されて、中途半端な気持ちになる。

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