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環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見

2009年06月25日 | ジュゴンブログ
 下記の「環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見」を環境省に提出しました。意見の締め切りが26日までとなっていますが、(お知らせ)環境影響評価制度総合研究会報告書(案)に対する意見募集 (パブリックコメント)について  http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11217  を参考にすれば、日本の環境アセスメント制度の課題がわかると思います。

(私の意見内容)
4-2スコーピング
 方法書段階での説明会の義務化は必要である。コミュニケーションを図るとの立場を堅持する中でこそ、事業完了後も事業やその利用者が地域の中に根付くことになる。

4-3国の関与
 方法書、評価書の各段階で環境大臣が意見を提出できるようにすべきである。
 環境アセスメントが始まると環境省は「実施されている環境アセスメントを注視する」との立場から、評価書段階まで黙示している。これでは事業者にとって都合のよい環境アセスメントに終始するか、評価書段階で事業者が環境アセスメントのやり直しという手戻りになるか、極めて不合理な事態を招くことになる。

4-6環境影響評価手続きの電子化
 環境アセスメントを市民に身近なものにするためにも電子化を進めることを基本にすべきである。想起される問題点は個別解決策を検討すればよい。

4-7情報交流
 方法書への市民・地方自治体意見に対する事業者見解を、調査着手以前に公開すべきである。
調査後の準備書段階で事業者の見解が明らかにされても、調査に対する市民の監視が困難である。また、事業者にとっても手戻りになる可能性が出てくる。

4-8環境影響評価の内容及び環境影響評価技術
 事業を行わない案を含めた複数案の検討を行うことを法律で義務付けるべきである。
世界経済がグローバル化し多国籍企業が日本に進出する中で、生物多様性保護の立場から自然環境を守る環境アセスメントも国際水準にすべきである。
私たちがIUCN(国際自然保護連合)世界自然保護会議で3回(2000年、2004年、2008年)にわたって日米両政府に対して環境アセスメントでゼロオプションを採用することを求める勧告決議を採択してきたが、日本政府はいまだに無視している。

評価項目も拡大すべきである。健康的文化的水準の向上が保証されるべき市民が、危険性・災害からの安全確保を求めることは当然だ。米軍建設による弾薬などの爆発を恐れて搬出入の環境アセスを求める声が高まっているが、環境省は環境アセスメントの対象外だと切り捨てている。

4-11その他の課題
 世界恐慌下で経済効率性のみで事業が行われ環境破壊が進められる危険性が高まっている。事業者の善意を前提にした環境アセスメントでは生物多様性の保護は困難である。したがって、訴訟手続きを定めるべきである。

 ジュゴンの保護者