散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

音楽の薬効

2006-04-03 13:51:04 | 思考錯誤
今週の天気予報は毎日雨雨雨。憂鬱な雨。
満開の土佐水木一鉢を買った。高野水木なのかもしれない。いづれにせよ近種である。薄暗い空の下でぼんやりと柔らかな光の鎖が滲むように輝いている。
灰色に黄色はよく似合う。。。とは思うが灰色の空がいつまでも続くとつい愚痴っぽく訴えてしまうのが我ながら無念だ。
愚痴を言えば灰色の空がそれを吸収して更に分厚く頭上に押し寄せることになるので、ここは一つ無視する算段を取るのが良い。

悪天候の春だとは言え、日が延び始めたのは嬉しい。思わず時計も見ずに外灯りに頼って作業していて、気がつくと夕飯時になっている事も多い。
また雨の晴れ間に鳥のさえずりが聞こえるが、歌い方は明らかに数週間前のそれではなく春の賛歌に変わっている。

少し前のニュースだがフンボルト大学のある独米研究チームが鳥の囀りに関しての研究成果発表をした。
鳥の声帯の研究であるが、歌っている時にレントゲン撮影をした所見ところ、彼等の声帯の使い方は人間と実に似通っているのだそうだ。
なるほど、まねで鳴き声を学んで変えたり、達者なカラスやオウムは更に複雑に使い分けるわけだ。
しかしその辺でいつも歌っているウロウタツグミのように私に歌えないのは残念だ。
私の声は昔から美声とは程遠い所でしか響かないうえ、この頃では又更に遠ざかる一方なのである。

美声といえば先ほどまでElizabethan songを聴いていた。
Elizabethan songでは「FAIRE,SWEET&CRUELL」と言うCDが気に入っており、繰り返し聞いたものだが、今は手元に無い。Christine Hoegmanのとても素直な美しい声は聴いていると頭の中に"声”が柔軟な帯の様になって、様々な色を発光しながら飛び回るという感じだった。 
私はこの手の音楽を聴くと気分が安定するので、薬だとおもっている。
私にもこんな歌が歌えたらいいのにと、時々思うがじっと聴いている方が近所迷惑をかけずに平和である。
だからと言うわけではないが今アマゾンの買い物籠に薬を一つ注文した。(もう一つの薬はE.S.T.のViaticum Platinum Limited Edit)

実際音楽又は音には薬効があるのだと思っている。その時その人に合った音楽を聞く事で体に、精神に起こっている不調をの波を中和しするのだ。
今日はElizabethan songを聴いて少し心のざらざらのお手入れをしておいた所に、今Haydonのオペラ"The Creation”(N.Harnoncourt指揮)を聴いている。
これは丁度ビタミンCの役割だ。
これを聴き始めた時に偶然にも雨雲がちょっと脇に退いて太陽が顔を出した為もあるかもしれないが元気が出てきたように思う。副作用無しの即効性良薬であり、良薬にもかかわらず苦くも無い。
私は様々な音楽を聴いて楽しめるほうだが、今日の場合はどうやら古楽期の音楽が栄養になるらしい。これはその日その日によって違うのが面白いと思っている。
心は多面的にカットされており、ゆっくりまわりながらその時の角度の具合で反射の仕方が変化するかのようだ。

本日の調合
Elizabethan song
Haydon:The Creation
La Nef:Parceval