比較的病気になりにくい種類だというのに、苗の半分が具合悪く切り落とした。
砂糖菓子のような色の花が咲く。
薔薇色の人生などと人はいうけれど、薔薇色といわれてどんな色を思い浮かべるか?
私の場合"薔薇色”という一言からは紅い花びら色を思うが、"薔薇色の人生”と思うとどういうわけだか、このピンク色だ。
古代ローマ時代には既に薔薇を温室栽培したというが、主にそれは薔薇の花弁収獲のためで、室内に温水を流し、花の収穫量を増やしたそうだ。流石は古代ローマ人。
当時は古代ギリシャと同様、勝利と栄光の象徴としての薔薇の冠のために、薔薇の花でワインや食べ物に香付けすることもあったし、皇帝の足元に花びらの絨毯を分厚く広く敷き詰めるために薔薇の花は必要だった。
薔薇の花は富の象徴でもあった。
やがて耕作地の必要が増えたことによって薔薇園は減って行く。
暴君ネロは狂宴の為にエジプトからバラを輸入しなければならなかった。
デカダンスの代名詞にも引っ張り出されるローマ皇帝ヘラガバルスは彼の宴で客が窒息してしまうほど(実際数人窒息死したという)薔薇の花弁で部屋を埋めたと言うから、その量たるや想像を絶する。
招かれた客が宴の部屋に通されると、テーブルの上には豊富に美味珍味が並び、いかにも美味しそうなワインも用意されている。
ワインの入ったグラスには香高い花弁が数枚浮かんでいるのが洒落ている。
宴が始まると、間もなく上から美しい花弁が楽器の調べにあわせるように優雅に舞い降りてくる。
その風雅な遊び心を客等がほめるのをヘラガバルスはうっすらと笑みを浮かべながら見回している。
間もなく、客等がふと気がつくと降りそそぐ花弁で話し相手の顔さえもが見えにくくなってくるのだ。
薔薇の花弁が腰辺りまで埋まった頃、彼等は優雅な花弁が実は罠である事に気付く。
出口は何処だ?何処にも見当らない!
パニックになった彼等が一息するたび、柔らかな香の良い花弁が口の中に滑り込む。。。滑り込む。。。
。。。って、なかなか恐いね。