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乳白色の水の中で私は歩いていた。
やや前傾した形で水に身を持たせるようにして歩く。
いや、歩くといっても気が付けば全然進んでいない。
周りの景色が一向に後ろに流れてゆかない事からそれがわかる。
ひどく足が疲れて重たく私は息をしなければ。。。と思った途端不安が急激に膨らんだ。
私は肺呼吸の哺乳類動物であるから水の中で呼吸は出来ない。
苦しくなってくる。
。。。と誰かが
『こういうところでは耳で呼吸するもんだよ。』というのが聞こえた。
ははあ、耳で呼吸すれば水は鼓膜で止まって溺れ死ぬことは無いんだな、と納得するのだが、初めての者には耳呼吸が難しい。
あちらこちらに耳呼吸をしている人がいるのか、細かい気泡が昇ってゆく。
というような夢を見た。
最も起きてから多少話をすっきりまとめてみたのであって、もっと訳のわからない話の様でもあった。
しかし、米のとぎ汁のごとき白濁した水の中で耳呼吸をせよ、と言われたのは確かにおぼえている。
起きて窓の外を見ると、急に気温が下がったのかすっかり濃い霧に覆われて、まるで今出てきたばかりの夢の中に又戻ってゆくかのように思われた。