散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

負の遺産

2011-05-18 12:04:57 | 思考錯誤


震災からもう2ヶ月以上が過ぎました。
改めて震災の犠牲になった方々へ祈りを捧げます。
地震と津波被害からの色々な意味での復興がこれから速やかに進みますよう。
そして原発事故が一秒でも早く収束してくれることを祈ります。






私達が後世に残してゆく負の遺産。
原子力発電所と残される廃棄物は世界の各地に存在している。当然ドイツも核廃棄物に手をこまねいている。
ニーダーザクセン州に半分目を覚ましかけながら眠る核廃棄物を詰め込んだ「AsseII」という岩塩の採掘抗がある。(Asse IIの他にも核燃料廃棄物集積場は他にも幾つかある)
1967年から1978年にかけて無数の"黄色いドラム缶”がこの岩塩鉱はに放り込まれた。当時、危険を訴える学者が居たにもかかわらずこの原始的な地層処分で良しとしてしまった。それらは驚くほど無神経に放り込まれ、外側のドラム缶が破損したりしている。(そういえばチェルノブイリ原発事故の頃、Asse IIで行われている"ゴミ捨て現場”がテレビで流れてあまりの無造作に驚いたことがあったのを思い出した。海に廃棄する国もあったけれど、今頃海の底でどうなっているのだろうか?そんな事をずっと忘れていたのは不覚。。。)
Asse IIでは地下水が染み出し、排水処置をするものの危険この上ない。これをコンクリートで固めてしまうか、掘り出し回収し地層処分にするかの提案が出されたが、"回収"に決定した。
かなりの危険度を伴う難しい作業だ。
しかし地層処分をするための場所が決まっていないうえ、処理にかかる莫大な費用を電力会社は「我々の問題ではない」と言い切る。結局国民の血税で処理されるしかない、それも何代ものジェネレーションが担うのだ。
日本で稼動している原子力発電所が現在半分弱だと言ってもそれぞれに危険な荷物を抱えている。
自分達が出した汚物を後世に残してゆく事がこのまま続いていいわけが無い。
少なくともこれ以上増やさぬように努めるべきではないだろうか。







ところで「チェルノブイリ」はウクライナ語でチョルノブイリ=「ニガヨモギ」の事だというのを聞いて少し驚いた。


第三の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。
すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。
そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。
この星の名は、ニガヨモギと言い、
水の三分の一がニガヨモギのように苦くなった。
水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ

『聖ヨハネの黙示録』