できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

5月14日付けの投稿(転載その24)

2006-09-20 16:29:16 | 過去の記事の転載

※この日も2度、投稿していたんですね。

共同通信のネット配信記事(飛鳥会関連で市の公社職員が架空報告の前例踏襲など)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060513-00000158-kyodo-soci

産経新聞のネット配信記事(大阪市生活福祉部も飛鳥会の土地利用を把握していなかった件)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060513-00000032-san-soci

この事件についてのネット配信記事を追い続ける作業を、ずっとこの日記帳ブログで継続して行っています。

くりかえし書いていますが、私の基本的立場は、あくまでも飛鳥会及び逮捕された理事長の問題は、警察・検察が法にもとづいて適切に捜査し、容疑事実にもとづいて起訴すべきだということ。これは、容疑事実が固まり次第、起訴・裁判という手続を経て、「適切な法の裁き」を受けるしかない、というしかありません。

と同時に、ここまで報道されているようなことが事実であれば、例えば大阪市役所などの関係行政当局も、適切にこの会や理事会の実態把握を行ってこなかったとか、実態を把握していても対応を長年放置してきたこととか、場合によれば、関係行政当局や取引先銀行も一役かって飛鳥会とこの理事長をめぐるさまざまな不正行為が行われていたのではないかと思われることなど、本当の問題は飛鳥会とこの理事長以上に、関係行政当局や取引先銀行など関連企業の対応の側にあるのではないかと思ってきました。これもくりかえし、この日記帳ブログで書いてきました。

で、もっというと、市の当局が今回紹介したような2つのネット配信記事のようなことをしていれば、当然ですが、これは人権行政にかかわらず、あらゆる行政の担当領域における法令遵守の在り方など、大阪市としての行政としての基本的な姿勢が問われます。

例えば、もしもこの2つのネット配信記事の内容が事実であるとすれば、長期間、架空報告の前例を踏襲していた行政職員の行為など「あってはならない」ことであって、地方公務員法等の諸法令に照らして厳正な処分を行う必要もあるのではないでしょうか。また、その管理・監督上の責任も、当然のことながら市の上層部に置いて問われることになるでしょう。そこは今後、どのように市の当局として問うていくのでしょうか。飛鳥会及び理事長と関係する市の機関の諸問題がこのように報じられるたび、市の職員及び市の機関としての「けじめ」をどのようにつけるのか、そこが大変気になります。

このように、大阪市の当局者として、地方公務員法その他関連法令及び大阪市としての行政施策の諸方針にもとづいて、誰が相手であっても、やるべきこと、やってはならないことというのが、きちんと基本的なスジとしてあるはずです。その行政職員としてふるまうべき基本的なスジが、なぜか長期間、この飛鳥会関係の諸事業については守れなかった、ということ。そこがやはり、おかしいんではないでしょうか。何か、これまでに把握された事実関係にもとづいて、市の機関及び市職員として、ここらで「けじめ」をつける取り組みがいるのではないでしょうか。

そこから考えると、たまたま今の段階では、飛鳥会とこの理事長、それから行政当局をめぐる事実関係の報道が中心になっています。でも、その段階で終わり、にするような話ではなく、マスメディアはこの件を通して、市の行政の基本姿勢にまで立ち返った議論を展開すべきではないでしょうか。私は個人的に、飛鳥会側の問題よりも、大阪市の行政の基本姿勢の問題点をもっと、マスメディアには徹底的に取材して明らかにしてほしいと願っています。

そうしないと、下手すると今回、これだけマスメディアが取り上げて問題にしても、結果的に「飛鳥会という悪い団体と、その理事長だけを法に基づいてさばいて終わり」ということになりかねません。その結果、「市の当局側」が民間団体との接し方の面で抱えている構造的な諸問題は放置され、結局、形が変わるだけでどこかで似たような問題が大阪市のなかでくりかえされるのではないか、と思うからです。

<追記> 2006年5月23日(火)

この日記帳ブログを書いたあと、次のサイト(ブログ?)で、私の5月16日づけ日記帳ブログの文中にある言葉が引用されています。また、私がこの日記帳ブログで、他の日に取り上げた「飛鳥会事件」のことも、次のサイトで紹介され、「これこそ公正・中立の立場」と高く評価してくださっています。

<転載に際してアドレスを削除>

しかしながら、私が自分の5月22日・23日付けの日記帳ブログで書いているとおり、下記サイトでの高い評価への感謝の思いと、このサイト運営者がネット上で大阪市の問題に対していろいろ取り組むことに敬意を表しつつも、どうも私とは基本的なスタンスがちがうように感じていますし、そこには「誤解」もあるように思います。だから、上記サイトからこの日の投稿分にアクセスされた方は、ぜひ私の5月22日・23日付けの文章も読んでいただければ幸いです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

ついでに、自分の文中に誤字も発見したので、この14日の分、修正しました。

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