できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

昨日の証人喚問を見ていて、あらためて考えたこと

2017-03-24 10:26:47 | 国際・政治

おはようございます。

今朝も参議院予算委員会のラジオ中継聴きながら、このブログを書いています。

このトップバッターで質問している自民党議員、安倍総理との質疑応答をしているというより、なんか党としての「言い訳」をしている感じですねえ。

昨日も証人喚問でトップバッターだった方ですが。

さて、ここ最近の例の学園の国有地売却問題や、昨日の証人喚問等々を見ていて、あらためて昨夜から今朝にかけて考えたことを、以下のとおりまとめておきます。

(1)

まず、今、日本会議派の極右勢力による国家改造運動(以後「極右的な国家改造運動」と称す)に、政治家・官僚・民間人(私立学校の経営者、弁護士、企業経営者等々)が次々に合流しているという現実がある。

(2)

この極右的な国家改造運動は、排外主義・歴史修正主義的な思想を基盤とする。したがって敗戦後の日本社会を形成してきた日本国憲法を嫌悪し、日本社会に暮らす外国籍の人々を排斥し、明治維新~敗戦までの日本の歴史のなかで、自分たちの主張にとって問題のある部分を否認する。そして、その否認、嫌悪、排斥を現実のものとするために、国家改造運動を実施する。

(3)

したがって、その国家改造運動のターゲットになるのは、敗戦後の日本国憲法において実現されてきたリベラルな諸価値であり、福祉国家的な側面からの諸施策ということになる。ここで「福祉国家的な諸施策の縮小・解体」を目指す新自由主義的な政治・経済改革論者と、極右的な国家改造運動を目指す勢力との接合が生まれる。

(4)

一方、極右的な国家改造運動を目指す勢力も、現実的に日本社会に基盤をつくっていくためには、地方議会及び地方行政、さらには国会及び国の官庁に勢力を拡大していかなければならない。そのためには、極右のポピュリズムを巻き起こし、地方議会の議員や首長、国会議員などに自分たちの仲間を送り込んでいく。まさに「国民主権」を基盤に民主的な手続きを踏んで、「極右の政権」をつくろうとするわけである。一方で日本国憲法を嫌悪しながら、他方でその憲法の趣旨を利用して、自らの政治勢力の基盤をつくるといえばいいのだろうか。

(5)

また、極右的な国家改造運動を目指す勢力も、現実的に日々、メシを食っていかなければならない。そのときに、新自由主義的な政治・経済改革によって規制緩和を生じさせ、今まで保有していた国・自治体の資産を流動化させてそこを破格の安値で得たり、あるいは新たなビジネスチャンスを得たりして、自らの「利権」の基盤を創出する。ここでも、新自由主義的な政治・経済改革論者と、極右的な国家改造運動を目指す勢力との接合が生まれる。

(6)

規制緩和によって法的なしばりが弱くなり、国や自治体の関与が少なくなればなるほど、新自由主義的な政治・経済改革論者と、極右的な国家改造運動を目指す勢力のどちらにとっても、「自分たちのお仲間」に利益誘導をやりやすくなる。そうなると、ますますこの両者の「お仲間」になることで、その利益誘導という動きに乗ろうとする人々が現れやすくなる。これは「コネ」でなにもかも動く社会ができあがる、ということでもある。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の証人喚問を見ていて、... | トップ | 最近読んだ本をまとめて紹介... »
最新の画像もっと見る

国際・政治」カテゴリの最新記事