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できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

ゴミ・清掃問題から地域のつながりを見直す。

2010-06-28 07:50:36 | 国際・政治

久しぶりの更新になります。やっぱり、家でゆっくりと過ごせる時間がとれないと、なかなかこちらのブログを更新する時間が取れないですね。

さて、昨日は大阪府内のある被差別に出かけてきました。午前中はムラのなかをぐるっと一周まわって、地元の方からいろんな説明を聴く。お昼にかすうどん・さいぼし・にこごりをいただき、午後からは地元でのさまざまな取り組みについて話を聴く。まぁ、そういう一日でした。(昨日お世話になったみなさん、どうもありがとうございました。)

で、午後にお聴きしたのは、地元の人たちが中心になって運営している「あったかサークル」の活動についてです。このサークルでは、たとえば(1)月2回程度の昼食会(高齢者の方が対象だけど、夏休みなどは子どもも来る)、(2)年2回程度の子どもたちが集うイベント(模擬店を出すような夏祭り)、(3)月1回程度の夜の保育(親たちの集会の間めんどうをみる)、(4)町内の清掃活動、(5)ボランティア育成のための研修会、といった活動を続けています。また、今、中心的に活動を担っているのが、かつてその地区の子ども会に参加していた人たち(もちろん、今は40代だとか)、あるいはその保護者会の人たち(60代だとか)とのことでした。要するに、地元で地道にこつこつと積み上げてきた人間関係づくりが、こういった形で活かされている、というわけですね。

で、昨日の話で印象的だったのは、ゴミ出しの話や町内の道などの清掃の話。かつてなら何かゴミ捨ての日に困ったことがあったり、あるいは、町内にかなりゴミが散らかっている道などがあっても、「それ、行政に言おう」という声が出てきたのが、こうした取り組みを通じて「自分たちで解決しよう」という雰囲気がでてきたこと。近隣の人々どうしの関係のなかで物事を自主的に解決していくような、そんな「つながり」がやっぱり、地元の運動を支えたり、学校と地域社会との関係を支えたりしているのではないか・・・・という話を、そのサークルの方たちはしていました。

それを聞いて以前、自分の出身大学の教員(もう今は定年退職されている)で解放教育の研究などに携わってきたある方が、「解放運動の研究をやるっていうのは、町内会の研究をやるようなものだ」という趣旨のことを、大学院の講義のなかで語っておられたことを思い出しました。このサークルが取り組んでいることなんて、まさに団地の自治会や町内会のレベルでの活動ですからね。

しかし、その団地の自治会や町内会レベルでの近隣社会のつくりなおし。これを早急にやらないと、大阪市内の各地区では、子どもに限らずさまざまな運動の取り組みがむずかしい状況にあるのではないのでしょうか。特に、この何年かの間に人口の出入りが激しかった地区については、あらためてもう一度、自分たちの地元でのつながりの再構築からはじめないと、子ども向けのイベントを打っても人が集まってこない・・・・ということも生じるのではないでしょうか。

さらに、解放運動を通じてほんとうに自分たちの暮らす地区を、より暮らしやすくしていくことを目指すのであれば、場合によれば、「ゴミ出しの方法」だとか「町内一斉清掃のあり方」といった、自治会・町内会レベルの課題にまで一度たちかえってみて、そこでどういう形で地区内の人間関係ができあがっているのかを見つめなおす。そういう作業をくぐる必要があるのではないか・・・・。そんなことを昨日のフィールドワークで感じました。

今後の各地区での取り組みの参考にしていただければ・・・・と思います。

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