ランランとの駆け引き

ランランの手綱を引いていよいよ馬場へと向かった。
馬によって色々な個性があるが、はたして乗車拒否はするだろ
うか。踏台をランランの横につけて、鐙に足をかけたがじっと
しているのでなんなく騎乗することができた。
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だが騎乗したあとにランランの癖が出た。ランランは、簡単に
は動き出ないのだった。「ランラン常歩」と声をかけて、足で
軽く蹴るが頑と動こうとはしないので拍車を何度か押すとよう
やく動き出した。だがすぐに止まるので又初めからやり直す。
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私も少し「ムッ」としたので拍車で蹴りを入れ、ムチを使うと
ランランは反抗的な態度をとり尻ッバネをするぞ脅し始めた。
ランランは６歳と若く、ちょっと前までサラブレッドだったの
で馬力は相当あるだろうから、その狭間で駆け引きをする。
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拍車、ムチと強弱を繰り返しながら慣らしていくと段々私のペ
ースになってきた。駈足も最初は大変だったが、駆け引きは私
の方が上手だったので何とか走り出す。だがオーナーさんが騎
乗するスピードしか出ないので、私のペースへと持って行く。
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４５分の騎乗時間が終わり、鞍からおりて足洗い場に連れて行
った。すると、前の時間に騎乗が終わったＹさんがランランを
見て言った。「まぁ～、ランランがすごい汗をかいている」。
インストラクターが言った。「児玉さんは、上手です」。
今度私が騎乗する時は、無駄な抵抗はやめて素直になってくれ
ればいいが、でもそう簡単にはいかないだろうな。





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