東京ステーションギャラリーで開催中の「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展を見に行きました。
昨年秋に、葉山で開催されていた時から気になっていた本展。その後、東京に巡回すると知って楽しみにしていました。フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの生誕120年を記念して世界5か国で開催される巡回展で、日本では20年ぶりに開かれる個展です。
アアルトといえば、日本では家具や照明、ガラス器などでおなじみですが、肝心の建築に関しては、多くがフィンランドにあるために、なかなか見る機会がありません。本展では、写真、設計図、模型、映像など、さまざまな資料をもとに、アアルトの建築家としての足跡をたどることができました。
また、アアルトが建築に合わせてデザインした、アームチェアやスツール、照明器具なども展示されています。これらの製品は、おそらく誰もがどこかで見たことのあるおなじみのデザインですが、半世紀以上経た今もなお、多くの人々に支持され、生産が続けられているのはすごいことだと思います。
アアルトのデザインは機能的でシンプルですが、それらはフィンランドの豊かな自然の中にある有機的なフォルムを取り入れているのだそうです。自然界にあるものはすべて、その色や形に道理があるからなのでしょうね。アアルトのデザインに安らぎを覚えるのも、自然との調和があるからかもしれません。
ヴィーブリ(ヴィーボルク)の図書館 ロシア 1927-35
バイミオのサナトリウム フィンランド 1928-33
バイミオのサナトリウム フィンランド 1928‐33
ステーションギャラリーの八角形の小部屋に、病室の再現展示がありました。白とミントグリーンで統一された、清潔でシンプルな空間でした。
ルイ・カレ邸 フランス 1956-59
フィンランディア・ホール フィンランド 1962-71
ニューヨーク万博フィンランド館 1939
サヴォイ・ベース(アアルトの代表的な花瓶)を思わせる曲線ですが、オーロラをイメージしているそうです。
家具や日用品の展示室。ティ・トローリーやアームチェアなど。合板を曲げる過程を紹介する映像もありました。
サヴォイ・ベースを作る過程も映像で紹介されていました。ふくらませた柔らかいガラスを型に入れて作っていました。写真は1937年頃使われていた木製の型。
展示室を出たところには、アアルトが設立したインテリアブランドArtekさんの展示コーナーも。ステーションギャラリーの赤レンガの壁によくマッチして、プライベートな空間のようですね。