上海の東方明珠電視塔が出来たのは1994年で、その二年後の1996年に撮影。当時の外灘の遊歩道はまだ観光客も少なく人通りはまばらだった。また、高層ビルも少なく浦東は特別な理由が無いと浦西に住んでいる住民は行く事がなかった。このおでんのようなタワーはアート関係者からデザイン的に評判が悪く、みんなで寄付を募り壊してやり直したいという人も一部に居た。
下の画像は、記念写真屋と客。1996年頃の中国ではカメラはまだ高額だったので、地方からの観光客は記念写真屋にお願いし撮影してもらうのが普通。写真屋のカメラはミノルタSRマウントのシーガル一眼レフが定番でポラロイドも使っていたが、需要は相当あって客が途絶える事はなかった。
1996年に外灘から浦東を
撮影を終了した2000年の浦東
そして、2000年には高層ビルも増えたが、今と比べるとまだ欠けた櫛のように見える。当時は八百伴のデパートが出来たばかりで人は賑わっていたが、実際に商品を買う人は稀だった。当時の上海の庶民は裕福とは言えず携帯電話もまだあまり普及していなかった時代。今思えば、この頃までの上海が私にとって一番面白かった時代かも知れない。
トップの画像はNoblex135Uで、下の画像はフジのTX-1+45mm