海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

孔乙己酒家 楊金兔先生の葬儀へ

2018-03-25 | 写真日記

 

昨日3月24日は、私が14年間お世話になった孔乙己酒家の創業者の楊金兔先生の葬儀だった。孔乙己酒家と聞けば、長く上海に住んでいる日本人であれば、ほとんどの人が聞いたことがあるか、お世話になった事がある文廟の横にある中国料理店で、彼の生まれ故郷の紹興料理と生紹興酒が手頃な値段で呑める店として地元の有名店。

2004年頃に、私の撮影の縄張りだった旧城内の文廟付近を撮影している時に、瓶だしの紹興酒を量り売りしていた店がこの孔乙己酒家で、何度か通っているうちに親しくなったのが当時の老板の楊金兔先生だ。彼の店の前にはサイドカー付のバイクがあり、魯迅を愛し生まれ故郷の紹興を愛した心優しい人だった。出会ってから事ある毎に誘われ、彼の親族の食事会や行事に呼んでいただいた。特に2012年の反日デモの時には、何か困った事があればいつでも来なさいと言われ涙が出そうになった事がある。

大陸での葬儀は初めてなので、どうしてよいかわからず人に聞くと黒色の平服であれば問題ないのと、日本でいう香典は白い封筒に数字の頭を奇数にして+1元を包み親族に直接手渡しすれば良いとの事。葬儀は虹口区の殯儀館(葬儀場)で行なわれたが宗教色は無い。会場に張学友の吻別(Kiss Goodbye)が流れたのは、彼の生前の願いだったそうだ。三度礼をして献花した後に棺を一周して先生とお別れ。その後、葬儀場から2台の大型バスに分乗し、彼が店を始めた本店のある孔乙己酒家で食事をいただきお開きに。

☆この葬儀に出席した外国人は私だけだったようなので、彼の事を知っていて彼が亡くなった事を知らない日本人は、どうか心の中で冥福を祈っていただきたいと思う。

 

コメント (4)
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