24x65は第二黄金比 GFXの35mm画角
私が29歳の頃に映画の仕事で最初に関わったパノラマサイズは、アメリカビスタサイズ(1:1.85)だった。35mmフィルムを使い上下をカットしなければならないので、ニコンのファインダースクリーにNDのゼラチンフィルターを貼り付けてフレームしていた。また、24x120mmという横長過ぎるパノラマ撮影もフィルムホルダーを改造しこの仕事で使った事がある。その後、しばらくパノラマサイズを使う事は無かった。
再びパノラマサイズを使い始めたのは1995年からで、Horizontに始まりWideluxからNoblex135Uをメインに上海の古い街並を撮り始めたのが1996年。この画面サイズは24x65(1:2.7)で、第二黄金比と言われている1:2.6と同じサイズ。この24x65サイズは、フジのTX-1にも採用され上海の撮影で私も使っていたが、今ではデジカメのGFXなどでも選べるフォーマットだ。
ワイドレンズを使って風景を撮る時に難しいのが、画面の上下が写り過ぎる事。そんな時に最適なフォーマットは24x65などのパノラマサイズだ。人間の目は瞼で上下カットされるので横長で、通常はパノラマサイズで見えている事になる。私が初代GFXから今も使っている理由は、24x65フォーマットが使えるからだ。遠距離はパノラマサイズで撮影し、中距離と近距離を撮る時は1x1の正方形と決めている。こんな風に、1台のカメラでフォーマットを簡単に変えられるのが今のデジカメの良さだ。しかもGFXの1x1サイズは一辺33mmで、35mmフォーマットの長辺36mmの正方形に近いので、古いレンズのちょっと曖昧な描写をそのまま継承出来るからね。ただ、24x65のフォーマットで古いレンズを使う場合は、画面の左右の描写に無理があるが、そんな事はどうでも良いのだ。
☆白銀比(数種類ある)の比率は1:2.414で、これはロシア製や日本のパノンのWideluxに採用されたフォーマットで、120フィルムの横幅56mmを基準にしているので24x56mm。もう一方のNoblex 135UやTX-1などは、24x65mmなので6x7の長辺65mmと同じ。
☆黄金比などの理屈はわかるが、写真の構図などはあまりこだわらない方が良い。
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