本釣亭日乗2

2022.7.22にt-cupブログの閉鎖に伴い2011.4月からの記事をこちらに引っ越してきました。

12月の読書の記録。そして昨年未掲載分一挙放出!

2018-01-31 23:51:00 | 



今晩は(^^♪

ご無沙汰しております。



本日は、昨年分の未公開ブック・レビューを一気に放出します。。
(よろしくお付き合いのほどを~)



まずはもうすぐ消えてしまう「12月のレビュー」からいってみっかね!?






12月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1235
ナイス数:17




テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る (光文社新書)テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る (光文社新書)感想

「口上」「由緒書」「親分子分」「神農道」。香具師(ヤシ=テキヤ)と呼ばれる露店商を営む人々が近世以前から連綿と伝えてきた世界には現代日本からは忘れ去られてしまった事柄がシーラカンスのように生存していたのだ!個人情報保護法施行以降は調査もままならず廃れかけているジャンルであると著者は嘆くが、いやよく調べられました。(随所に想像で補完するコメントがあるのはご愛嬌)資本主義社会が成熟していくと衰えゆく業態ではあるのでしょうが、懐かしくも怪しい、ある種のエンターテイメントとしての存在は貴重なものであると思います。

読了日:12月20日 著者:厚 香苗



四万十食堂 (アクションコミックス)四万十食堂 (アクションコミックス)感想

「深夜食堂」の阿部夜郎さんです。そして左古文男さん。四万十という共通の故郷を持つお二人の思い出を縦糸にし、現在その魅力を再認識されている四万十市周辺の味を横糸に紡いだ盛りだくさんな内容の情報誌、といった仕上がりになっています。「深夜食堂」より、記憶に残る「ソース焼きそば」、「きびなごのフライ」の回を選り抜き掲載されています。佐古さんの子供時代に、「何もない所」と思われていた古里が、実は「何でもある所」だったということに気付いたという挿入作「思い出の味あります」と序文も良かった。

読了日:12月20日 著者:安倍 夜郎,左古 文男



フーテン(全) (ちくま文庫)フーテン(全) (ちくま文庫)感想

大人になってから初めて永島慎二を読んだ。(注・水島新司ではないよ。)と、いうのも遥か昔、確かベネッセになる前の福武書店の「チャレンジ中学生講座」にて「独りくん」という漫画を連載されていました。当時は主人公の暗い少年がブツブツ哲学的独り言を言いながら歩き続けるだけのストーリーが理解できず、なんて面白くない漫画を描く人なんだ、との認識でした。しかし、しかし、今回巡り合った本作には完全に打ちのめされました。人の「心」を描くのには表現にもストーリーにもこのような手法もあるのかと。解説がまたまた秀逸。

読了日:12月15日 著者:永島 慎二



マンボウ酔族館 (新潮文庫)マンボウ酔族館 (新潮文庫)感想

躁鬱病の「躁」の時期に株の売買などするとこのようにトンデモない事になる、と体現。ほとんど依存症な訳ですが、突如鬱期が訪れると・・・つきものが落ちたようにその欲望は止む。怖い怖い。自分が躁状態にならずとも、相場全体が躁状態(いわゆるバブルですね!)になればそれに抗うことができるのは一部のヒトなのだと思いますので、他山の石とさせていただきます。葬式についての考察が随所に登場しますが、こちらはなかなか考えさせられる件でした。

読了日:12月10日 著者:北 杜夫



酒場を愉しむ作法 (ソフトバンク新書)酒場を愉しむ作法 (ソフトバンク新書)感想

酒場を愉しむ作法を読み取ろうと思ったら、それは大きな心得違い。私の座右の銘でもあります「Ⅾon't think,feel !」の線でいくのがよろしいかと。酒場詩人の吉田類氏が主宰する自由酒場倶楽部による執筆ですが、唯一感心したのは第四章「人に交われば」。いにしえからの文筆家による酒賛歌。中でも酒と旅を愛した歌人・若山牧水(享年43!)の数首が心に響く。旅の空間的な移動による心の解放と合わせ、酒による今在るところからの精神の飛翔こそが魂を「あくがれ」させる重要な触媒であったと。

読了日:12月01日 著者:自由酒場倶楽部




読書メーター





永島慎二「フーテン」はよかったなぁ~。昭和30年代の新宿を舞台にした漫画な訳ですが、著者の故・永島慎二も実際に一時新宿でフーテンをしていたようです。(フーテン、と言っても最近の方には通じない!?)画にセンスを感じます・・・。数年前に嵐の皆さん主演で「黄色い涙」のタイトルで映画化もされているようです。




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