◆ 身近な“平均値”その裏に隠れているもの
私たちは平均値をよく利用します。小学校で習うほど簡単で、最も身近な統計値です。非常にわかりやすいため、いろいろなところで利用される便利なものですが、平均値を信用し過ぎてはいけません。その理由は、偏りや異常値といった特徴を隠してしまう性質をもっているからです。
◆ 「平均的な人間はいない」
私の尊敬する人は「平均的な人間はいない」といいましたが、その通りだと思います。確かに、統計数値的には平均に近い人はいます。平均点が70点のテストで、70点を取った人がいるとしましょう。得点という結果だけをみれば平均点と同じであったとしても、得点した項目、別の言い方をすれば得意・不得意な項目は他人と違っているはずです。さらに言えば、正解を導き出す方法・考え方も人それぞれです。
人事評価で平均的な点数を取ったとしても、仕事のプロセスや考え方、仕事に向き合う姿勢など一人ひとりきちんと把握して、その人にあった指導育成をしていかなければなりません。決して「平均点ですね」で終わらせてはいけません。