■ 残業の多い部下には声かけ
残業の多い部下にどう対処したらよいか悩みをもっている上司は多い。成果が上がらない部下や一人で抱え込んでしまう部下の場合は深刻。部下が今どのような仕事を抱えていて、どこに時間がかかっているのか、部下の進捗がはっきりわからない。
これは、わからないのではなく、わかろうとしていないのである。部下の管理が不十分なので、シンプルだが、タスク管理を徹底する。とともに、部下に一声、声をかける。「どう今日の業務は順調?」「今日の仕事は予定どおり終わりそう?」
部下は、声をかけられたらそれに応えようとする。何かをしてもらったら、何かを返そうとする気持ちが働く「返報性の法則」だ。それを活かす。報告、連絡しようかどうか迷っていると、なおさら効果的に現れる。
また、声をかけられたら相談しやすくなる。このタイミングで、ちょっと相談してみようかと。実は、その相談の中に重要なことが含まれていることがある。声かけの効果は非常に大きい。
■ 態度や姿勢に気を付ける
もちろん、単に声をかければよいというものではない。眉間にしわを寄せて、怖そうな顔で「どうだ?」と声をかけられても「大丈夫です」としか返しようがない。情報共有のコミュニケーションに相応しい態度や姿勢でなければ効果はない。言葉という言語だけではなく、非言語的(ノンバーバル)コミュニケーションが大事。
先ほども書いたが、待っていてはいけない。こちらから行動する。部下からの報告や連絡が遅いと嘆く職場の特徴は、上司からの報告、連絡が遅い。部下は自分の鏡。報告連絡が遅いと嘆き叱る前に、自分から進んで努力し、見本を見せる。
■ 習慣化するには他を巻き込む
部下に声をかけるタイミングは、始業時刻、又は、お昼が終わった午後一番が効果的。それをルーチンにする。忘れてしまうことがあるが、そのときは、パソコンやスマホのスケジュールに声かけタスクを入れて、アラームが鳴るように設定しておく。
それでも、最初は一人でも取り組むのだが、慣れてくると次第にアラームをスルー、無視してしまうので、さらなる工夫として、課長と係長、主任による輪番制で声掛けするルールにする。自分が出来ないときは、交代を頼む。主任から「今日は課長の担当日ですのでお願いします」と声かけられたら、やるべきことがしっかり回り始めたと考えられるだろう。
これは、課長の権威を下げるものではない。目標達成のための一つの方法で、これで目標がスムーズに達成できれば、権威を下げるどころか逆に上がる。要は何を目指しているか、そのためにシンプルに行動する。その習慣を仕組みとして落とし込む。