◆ 経営分析データはいろいろある
経営分析が事業運営にとって大事なことは誰でもわかります。しかし、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー等を日頃見る機会のない人にとっては、分析のやり方や活用方法がわかり難いものです。しかし、上3表だけが経営分析ではありません。例えば、人事労務の領域でいえば、自部署の(勤続年数毎の)離職者数、勤続年数分布、新卒・中途の割合、研修回数や参加率・満足度、勤務当日の休暇者とその日数・理由などはすぐ把握できるでしょう。これらも経営分析につながる立派なデータです。
◆ データを活かす
ただ、数字だけを眺めていても意味はありません。ポイントはその数字を比較することです。例えば、前月・前期と比べてどうなのか? 悪化している場合、それはなぜか? 詳しく探り、原因をつきとめ、対策を講じることが大事です。 また、数字としては問題なさそうに見えても、潜んでいる問題やリスクはないのかという視点も欠かせません。そのためには、日々の業務の中でちょっとした会話や報告等の情報から変化や違和感を感じとる感性も必要。なお、この感性を鍛えるには、常に意識を働かせることや、モデルとなる上司や先輩の行動をよく観察・分析することです。