ツルニンジンは山麓の林の中で、他の植物に絡まって伸びる蔓性の多年草です。
根が太く高麗人参に似ているところからこの名があります。
日本ではツルニンジンはほとんど栽培されていませんが、根は韓国料理の高級食材で
韓国ドラマ「チャングムの誓い」にも登場したのでご存じの方も多いと思いますが
このツルニンジンの根から作る揚げ菓子、ソプサンサムというのがあるそうです。
また薬用植物としても有用で、高麗人参が血圧の高い人には使えないのに対して、ツルニンジンは
血圧を高めることなく同様の効き目を表すことが知られています。
花の色が地味な薄緑色なので、中々見つけ難い植物ですが、宿根性の植物なので、
一度生えている場所を見つけると、翌年はその場所で探すことなく見られることが多いようです。
ツルニンジン<キキョウ科 ツルニンジン属>
花冠は広い釣鐘型で2.5~3㌢、内側に紫褐色の斑紋があり別名をジイソブ(爺さんの雀斑)ともいいます。
蔓性ですが蔓はさほど長くなく1㍍以下のものが多いようです。この葉や茎は傷をつけると白い乳液が出て
少し厭な臭いがします。
雄蕊は開花後は自家受粉を避けるため、雌蕊を離れ花冠に密着します。花粉は集粉毛に付着し
吸蜜に訪れる蜂などの昆虫によって媒介されます。雌しべの基部には5角形の部分がみられますが、
ここには多量の蜜があり、キイロスズメバチの大好物、花に手を触れる時は注意が必要です。
これは花の咲く以前の蕾です。まだ当分は花が見られそうです