山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ツルニンジン(蔓人参)

2009-09-22 13:52:34 | 双子葉合弁花

ツルニンジンは山麓の林の中で、他の植物に絡まって伸びる蔓性の多年草です。

根が太く高麗人参に似ているところからこの名があります。

日本ではツルニンジンはほとんど栽培されていませんが、根は韓国料理の高級食材で

韓国ドラマ「チャングムの誓い」にも登場したのでご存じの方も多いと思いますが

このツルニンジンの根から作る揚げ菓子、ソプサンサムというのがあるそうです。

また薬用植物としても有用で、高麗人参が血圧の高い人には使えないのに対して、ツルニンジンは

血圧を高めることなく同様の効き目を表すことが知られています。

花の色が地味な薄緑色なので、中々見つけ難い植物ですが、宿根性の植物なので、

一度生えている場所を見つけると、翌年はその場所で探すことなく見られることが多いようです。




ツルニンジン<キキョウ科 ツルニンジン属>

花冠は広い釣鐘型で2.5~3㌢、内側に紫褐色の斑紋があり別名をジイソブ(爺さんの雀斑)ともいいます。

蔓性ですが蔓はさほど長くなく1㍍以下のものが多いようです。この葉や茎は傷をつけると白い乳液が出て

少し厭な臭いがします。






雄蕊は開花後は自家受粉を避けるため、雌蕊を離れ花冠に密着します。花粉は集粉毛に付着し

吸蜜に訪れる蜂などの昆虫によって媒介されます。雌しべの基部には5角形の部分がみられますが、

ここには多量の蜜があり、キイロスズメバチの大好物、花に手を触れる時は注意が必要です。




これは花の咲く以前の蕾です。まだ当分は花が見られそうです

コメント (3)
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