今回ご紹介するのは「地図男」(著:真藤順丈)です。
-----内容-----
仕事中の<俺>は、ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。
地図帖にはびっしりと、男の紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた。
千葉県北部を旅する天才幼児の物語。
東京二十三区の区章をめぐる蠢動と闘い、奥多摩で悲しい運命に翻弄される少年少女―。
物語に没入した<俺>は、次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく。
第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。
-----感想-----
この本は、「王様のブランチ」で紹介されているのを見て興味を持ちました。
読んでみると、今まで読んだことのないような、珍しいタイプの小説だということがわかりました。
謎の漂浪者・地図男が持つ地図帖の中に書かれた、いくつもの物語。
これらの物語が、小説の中で展開されていきます。
小説の中で小説が語られるという構成は、三浦しをんさんのロマンス小説の七日間と似ているところがあります。
しかしあのときは、一つの物語と現実世界が交互に描かれていたのに対し、この「地図男」ではいくつもの物語が登場します。
それらは地図男が書いたもので、東京の物語なら東京の場所に、千葉の物語なら千葉の場所にというように、各地域を舞台にした物語が、地図帖のあちこちに書かれています。
それらは一見、何のつながりもない物語たちのように思われましたが、次第に主人公の<俺>は、そこに隠された謎に気付き始めていきます。
そしてクライマックスで、ついにその謎が明らかになります。
この謎が明らかになったとき、ベールに包まれていた地図男の心の内を初めて見ました。
こんな感じで、ちょっとしたミステリー要素も含んだ小説でした。
いくつもの物語が展開されていくのはとても躍動感があり、新鮮な内容の作品として楽しめました
真藤順丈さんは同時期に3つの作品で3つの新人賞を獲得するという、華々しいデビューをしたようです。
地図男が面白かっただけに、これからの活躍にも期待したいと思います。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
-----内容-----
仕事中の<俺>は、ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。
地図帖にはびっしりと、男の紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた。
千葉県北部を旅する天才幼児の物語。
東京二十三区の区章をめぐる蠢動と闘い、奥多摩で悲しい運命に翻弄される少年少女―。
物語に没入した<俺>は、次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく。
第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。
-----感想-----
この本は、「王様のブランチ」で紹介されているのを見て興味を持ちました。
読んでみると、今まで読んだことのないような、珍しいタイプの小説だということがわかりました。
謎の漂浪者・地図男が持つ地図帖の中に書かれた、いくつもの物語。
これらの物語が、小説の中で展開されていきます。
小説の中で小説が語られるという構成は、三浦しをんさんのロマンス小説の七日間と似ているところがあります。
しかしあのときは、一つの物語と現実世界が交互に描かれていたのに対し、この「地図男」ではいくつもの物語が登場します。
それらは地図男が書いたもので、東京の物語なら東京の場所に、千葉の物語なら千葉の場所にというように、各地域を舞台にした物語が、地図帖のあちこちに書かれています。
それらは一見、何のつながりもない物語たちのように思われましたが、次第に主人公の<俺>は、そこに隠された謎に気付き始めていきます。
そしてクライマックスで、ついにその謎が明らかになります。
この謎が明らかになったとき、ベールに包まれていた地図男の心の内を初めて見ました。
こんな感じで、ちょっとしたミステリー要素も含んだ小説でした。
いくつもの物語が展開されていくのはとても躍動感があり、新鮮な内容の作品として楽しめました

真藤順丈さんは同時期に3つの作品で3つの新人賞を獲得するという、華々しいデビューをしたようです。
地図男が面白かっただけに、これからの活躍にも期待したいと思います。
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。