今回ご紹介するのは「つむじダブル」(著:小路幸也、宮下奈都)です。
-----内容-----
本邦初!?人気作家二人がつむぐ話題の合作!
小路幸也が兄の視点、宮下奈都が妹の視点で描く、家族の「ひみつ」の物語
小学生のまどかと高校生の由一は、年の離れた仲のよい兄妹。
ふたりとも、つむじがふたつあり、お母さんは「つむじダブルは幸運の証」と子どもたちに話している。
ある日、まどかがひとりで留守番をしていると、ひとりの女性から電話がかかってきた。
お母さんは知らないひとだと言うのだけど、なんとなく様子がおかしくて――
兄妹それぞれの想いが胸に響く、やさしい家族の物語。
-----感想-----
「つむじダブル」という一つの作品を二人の作家が交互に書いていくという珍しい小説です。
10歳の小学四年生、小宮まどかが語り手の章は宮下奈都さんが書いています。
17歳の高校二年生、小宮由一が語り手の章は小路幸也さんが書いています。
この二つが交互に語られながら物語は進んでいきます。
二人の兄妹は年は離れていますがとても仲良しで、まどかにとってバンドをやっていて格好も良い由一は自慢の兄です。
由一はキーボードとボーカルをやっています。
まどかのほうは柔道をやっていて、将来は家の道場の跡継ぎになりたいと思っています。
二人の家があるのは江ノ電沿いのようで、鎌倉のどこかかなと思いました。
由一のバンド仲間の住んでいる場所に「長谷」という地名が出てきて、過去に「長谷寺の紫陽花」や「長谷寺を散策」のフォトギャラリーを作っていたので、場所のイメージが湧きました。
由一のバンドは由一、ザキ、マサヤ、ナルちょんの4人組です。
よく小さなライブハウスでライブもやっていて、いずれはプロになりたいと考えています。
バンドの名前は「Double Spin Round」。
ふたつのぐるぐる巻きという意味で、「つむじがふたつ」ということです。
なぜこのバンド名になったかのきっかけは、まどかにつむじが二つあったからとのことです。
「つむじダブルは強運」「つむじダブルはしあわせの証拠」といった言葉がまどかの口からよく出てきます。
この物語は、「感性」の物語。
まどかと由一それぞれが直面した出来事とそれに対して感じたこと、心境が描かれていました。
等身大の文章で好印象でした
物語に大きく関わってくるのが二人の母の小宮由美子。
旧姓山口由美子。
なぜか元アイドルと親友だったり、母には何やら「秘密」があるようなのです。
その秘密につながると思われる人達が徐々に二人に関わってくるようになります。
ある日芦田伸子という女性から電話がかかってきて、電話に出たまどかはその人物のことが気になりました。
由一のほうはDouble Spin Round(略してDSR)のライブ後に石郷プロモーションのプロデューサー、石郷樹(いしごうじゅう)なる人物から「メジャーになる気はあるか」とスカウトを受けたりもしました。
この人物もどうやら、二人の母のことを知っているようなのです。
まどかはまだ10歳ではありますが、相手の心の機敏を察知できるようになっていて、お母さんが何か「秘密」を持っていることに気付き、不安を感じていました。
そして由一もスカウトを受けたことから何やら上の空で、それもまどかから見るといつもと違っていて「どうしたんだろう」と思っていました。
母の由美子も由一もまどかのことをまだまだ子どもと思っていますが、いつの間にか感性が成長していて、由美子と由一のいつもと違う様子に気付いていたのです。
やがて最後は、お母さんの秘密が明らかになります。
ただおどろおどろしい事件の犯人とかではないので、安心して読んでいられました。
本の表紙も良く、物語の雰囲気も良く、読んで正解の良い作品でした
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-----内容-----
本邦初!?人気作家二人がつむぐ話題の合作!
小路幸也が兄の視点、宮下奈都が妹の視点で描く、家族の「ひみつ」の物語
小学生のまどかと高校生の由一は、年の離れた仲のよい兄妹。
ふたりとも、つむじがふたつあり、お母さんは「つむじダブルは幸運の証」と子どもたちに話している。
ある日、まどかがひとりで留守番をしていると、ひとりの女性から電話がかかってきた。
お母さんは知らないひとだと言うのだけど、なんとなく様子がおかしくて――
兄妹それぞれの想いが胸に響く、やさしい家族の物語。
-----感想-----
「つむじダブル」という一つの作品を二人の作家が交互に書いていくという珍しい小説です。
10歳の小学四年生、小宮まどかが語り手の章は宮下奈都さんが書いています。
17歳の高校二年生、小宮由一が語り手の章は小路幸也さんが書いています。
この二つが交互に語られながら物語は進んでいきます。
二人の兄妹は年は離れていますがとても仲良しで、まどかにとってバンドをやっていて格好も良い由一は自慢の兄です。
由一はキーボードとボーカルをやっています。
まどかのほうは柔道をやっていて、将来は家の道場の跡継ぎになりたいと思っています。
二人の家があるのは江ノ電沿いのようで、鎌倉のどこかかなと思いました。
由一のバンド仲間の住んでいる場所に「長谷」という地名が出てきて、過去に「長谷寺の紫陽花」や「長谷寺を散策」のフォトギャラリーを作っていたので、場所のイメージが湧きました。
由一のバンドは由一、ザキ、マサヤ、ナルちょんの4人組です。
よく小さなライブハウスでライブもやっていて、いずれはプロになりたいと考えています。
バンドの名前は「Double Spin Round」。
ふたつのぐるぐる巻きという意味で、「つむじがふたつ」ということです。
なぜこのバンド名になったかのきっかけは、まどかにつむじが二つあったからとのことです。
「つむじダブルは強運」「つむじダブルはしあわせの証拠」といった言葉がまどかの口からよく出てきます。
この物語は、「感性」の物語。
まどかと由一それぞれが直面した出来事とそれに対して感じたこと、心境が描かれていました。
等身大の文章で好印象でした

物語に大きく関わってくるのが二人の母の小宮由美子。
旧姓山口由美子。
なぜか元アイドルと親友だったり、母には何やら「秘密」があるようなのです。
その秘密につながると思われる人達が徐々に二人に関わってくるようになります。
ある日芦田伸子という女性から電話がかかってきて、電話に出たまどかはその人物のことが気になりました。
由一のほうはDouble Spin Round(略してDSR)のライブ後に石郷プロモーションのプロデューサー、石郷樹(いしごうじゅう)なる人物から「メジャーになる気はあるか」とスカウトを受けたりもしました。
この人物もどうやら、二人の母のことを知っているようなのです。
まどかはまだ10歳ではありますが、相手の心の機敏を察知できるようになっていて、お母さんが何か「秘密」を持っていることに気付き、不安を感じていました。
そして由一もスカウトを受けたことから何やら上の空で、それもまどかから見るといつもと違っていて「どうしたんだろう」と思っていました。
母の由美子も由一もまどかのことをまだまだ子どもと思っていますが、いつの間にか感性が成長していて、由美子と由一のいつもと違う様子に気付いていたのです。
やがて最後は、お母さんの秘密が明らかになります。
ただおどろおどろしい事件の犯人とかではないので、安心して読んでいられました。
本の表紙も良く、物語の雰囲気も良く、読んで正解の良い作品でした

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