読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

産経新聞前ソウル支局長に無罪判決

2015-12-19 21:45:17 | 政治
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対し、韓国の裁判所が17日午後、無罪判決を言い渡しました。
事件の経緯は、2014年8月3日に産経新聞が自社のウェブサイトに掲載したコラムで、2014年4月に起きた韓国の旅客船「セウォル号」沈没事故の当日、パク・クネ大統領の所在が一時分からなくなっていたと伝えた韓国の有力紙「朝鮮日報」の記事を引用した記事を掲載したところ、大統領の名誉を毀損した罪に問われたというものです。
8月7日、ソウル中央地検が加藤達也氏を出国禁止処分にし、加藤達也氏は韓国に軟禁状態にされてしまいました。

………。
これ、起訴されて懲役刑を求刑されるというのが根本的におかしな話です。
「朝鮮日報」の記事を引用したら「大統領への名誉毀損だ」となり弾圧されて起訴され懲役刑を求刑されるというのが意味不明です。
こういうのを正真正銘の「言論弾圧」と言います。
韓国には言論の自由がないことを国内外に知らしめることになり国際社会からも批判されていました。
朝日新聞の従軍慰安婦捏造報道や吉田調書捏造報道のように、明らかに嘘であることをさも真実のように報じた場合は「言論の自由」「報道の自由」を逸脱していてアウトですが、大統領の疑惑について「朝鮮日報」の記事を引用する形で報じただけで検察が出てきて起訴、懲役刑求刑は前代未聞です。
※「朝日新聞がついに従軍慰安婦の嘘を認める」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「朝日新聞吉田調書、従軍慰安婦捏造報道 謝罪に至る経緯」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
今回無罪判決が出たのは、さすがの韓国も言論の自由の弾圧はまずいとようやく悟ったということです。
なので無罪判決は韓国の外交的配慮に感謝というような話ではなく、当たり前の話です。

加藤達也前ソウル支局長が韓国に軟禁状態になったのが昨年の8月7日で、無罪判決が出たのが今年の12月17日。
言論の自由を弾圧してはならないという当たり前の結論が出るのに1年4ヶ月もかかるのが韓国だということをよく覚えておきましょう。

韓国には、日本に対してはどんなことをしても良いという「反日無罪」の傾向が強くあります。
国家レベルと個人レベルの両方ともです。
今年は国家レベルではユネスコの世界遺産登録で、「お互いの候補が世界遺産に登録されるように協力しましょう」と事前に合意しておき、まず韓国の世界遺産登録では日本も賛成し無事に登録され、いざ日本の世界遺産登録の番になったら平気で裏切り「反対」を表明するという最悪なことをしていました。
個人レベルでは靖国神社のトイレに爆発物を仕掛けて爆発させた事件が記憶に新しく、死人が出てもおかしくない完全なテロ行為でした。
※「靖国神社の公衆トイレ爆発犯が逮捕」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

本当にいい加減にしてほしいと思います。
このような極めて悪質な国と無理して仲良くする必要は全くなく、距離を置くのが最善です。

12月折り返し

2015-12-17 19:09:52 | ウェブ日記
昨日は12月16日。
12月に入って15日までが15日間、今日から大晦日までが15日間で、昨日は12月のちょうど折り返し地点でした。
他の月ならあまり意識しませんが、師走の12月だと結構意識します。

12月の後半は22日の冬至、クリスマスイブ、クリスマス、有馬記念、大晦日と年末らしいイベントが続きます
11月から徐々に増え始めたクリスマスイルミネーションも最高潮を迎えつつあります
クリスマスが終わると一気に年の瀬の雰囲気になり、街の雰囲気も年越しの準備で慌ただしくなります。
そしてあっという間に年越しを迎えることでしょう。

今年は少し早めに実家に帰省するかも知れません。
高校の友達とも帰省した時に飲み会でもしようとなったので、今年のうちに会えればと思います。

12月に入ったばかりの頃に比べて折り返しを過ぎた今は寒さ的にも完全に冬になってきました。
朝起きた時の外の暗さも最盛期を迎えていて今はすっかり真っ暗です。
まずは冬至にかけてこの真っ暗さがピークなので、そこから今度は少しずつ朝が早くなっていく流れに乗りながら年末を走っていければと思います。

軽減税率

2015-12-15 21:01:29 | 政治
自民党と公明党の政府与党で協議が続いてきた軽減税率の問題。
本日、自民党の税制調査会において消費税の軽減税率について大詰めの方針が決まりました。
軽減税率は消費税が10%に引き上げられた際、食品の一部などを消費税8%にし、一般国民の負担を軽減しようというものです。
軽減税率について決まった方針をまとめると次のようになります。

1.対象品目は「酒類」と「外食」を除いた「生鮮食品」と「加工食品」とする。
2.「外食」と「加工食品」の線引きとして、店内で飲食する場合は「外食」として扱い軽減の対象としないが、出前を取った場合や商品を持ち帰った場合は「加工食品」として対象に含める。
3.具体例として、牛丼店やハンバーガー店の店内で飲食する場合は「外食」に当たり軽減税率は適用されないが、商品を持ち帰ると「加工食品」として軽減税率の対象になる。そばの出前やピザの宅配は「加工食品」となる。
4.国民の知る権利を確保するため、「新聞」も対象品目とする。

さっそく「制度が分かりにくい」との批判が上がっているようですが、軽減税率の問題の先には大きく3つのパターンがあり、次のようになります。

軽減税率をやめて一律に全てを消費税10%にした場合、「税率が高すぎる!」と批判する。
消費税8%のままにして社会保障制度が崩壊した場合、「ふざけるな、何とかしろ!」と批判する。
軽減税率で一部食品などを消費税8%にする配慮をした場合、「分かりにくい!」と批判する。

つまりどの展開になっても批判の声が上がることが予想されます。
「あれも嫌、これも嫌、ただし社会保障だけは何とかしろ、もちろん税負担は増やさずに」こんな主張が通用すると思いますか。
こんなことを言っていて許されるのは民主党が「財源なら事業仕分けをやれば十分確保できる」と豪語し、国民の多くがまんまと騙された2009年8月の衆議院選挙までです。
あの日を境に国民は地獄のようなひど過ぎる政治を見せられることになりました。
国民の側も反省し、学ばなければなりません。
2009年8月のように「テレビが民主党に政権を取らせれば安泰だと言っているのだからそうに違いない、そうしよう」とテレビを妄信して操り人形のように動くのではなく、自分の頭で考えることが必要になります。

政治は全知全能の神ではありません。
文句を言っているだけで何とかなるのであれば誰も苦労などしません。
それではどうにもならないから、具体的な案を出し合い、ぎりぎりのところでどうにか「税負担の軽減」と「税収確保」のバランスを取れないか模索しています。

なので私は軽減税率について、今の時点でひたすら批判しようというような気にはならないです。
しいて言えば、不満は「新聞」も軽減税率の対象になっていることです。
「国民の知る権利を確保するため」とありますが、これには疑問があります。
特に朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など、例えば安全保障法制で賛成側の意見をほとんど報道せず黙殺し、反対側の意見ばかりをひたすら報道するなど国民の知る権利を「侵害」している新聞社が多数ある現状では、新聞を軽減税率の対象にする必要はないと考えます。

なかなか複雑な制度ですが、食品が一部だけでも消費税8%に留まってくれるのは生活の面では助かります。
複雑なだけに問題点も出てくると思うので、制度をよく見ていこうと思います。
あと、消費税については10%からさらに上げるのはさすがに負担が重くなりすぎるので、際限なく上げるのはやめてほしいと願います。

「釜八」のすき焼きとじうどん

2015-12-14 21:25:50 | グルメ


この前ご紹介した「さぬきうどん 釜八(かまはち)」に再び行ってきました。
※「釜八の豚汁うどん」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

今回注文したのは「すき焼きとじうどん」です。
具は牛肉、ねぎ、白菜、ごぼう、玉子、豆腐。
お店の人が商品を出す時には「すきとじ」と言っていました。
「とじ」とあるように、すき焼きを半熟の手前くらいの玉子でゆるく閉じた形になっています。

すき焼きとうどんは相性抜群
すき焼き鍋の締めにうどんが登場することもしばしばあります。
このすき焼きうどんはだしの染みた牛肉や玉子の味わいが良くかなり美味しかったです
前回の豚汁うどんと同じく、冬に食べたいうどんです。
釜八の讃岐うどんはなかなか美味しくすっかり気に入ったのでまた行ってみたいと思います。

「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂4」似鳥航一

2015-12-13 22:18:18 | 小説
今回ご紹介するのは「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂4」(著:似鳥航一)です。

-----内容-----
三社祭の夜。
葵の笑顔に秘められた過去を、栗田は垣間見る。
それは多くの人生を狂わせた、重苦しいものだった。
栗田は思い悩む。
葵との出会いはひょんなことから。
それは和菓子がとりもつ乙な縁。
だが、いまやかけがえのないものになっている。
願わくはともに歩んでいきたい。
ならば、過去から彼女を救わなければいけない。
決意を固める栗田だが、周りは放っておいてくれないようで。
和菓子にまつわる奇妙な依頼は変わらず舞い込んでくる。
はてさて今日の騒動は?

-----感想-----
※「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂」のレビューはこちらをどうぞ。
※「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂2」のレビューはこちらをどうぞ。
※「お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂3」のレビューはこちらをどうぞ。

いよいよ葵さんの今まで明かされなかった過去のことが明らかになるシリーズ4作目。
今作は次の三編で構成されています。

水羊羹
きんつば
水饅頭

「水羊羹」
前作のラストである三社祭から一夜明けた月曜日から物語は始まります。

赤坂鳳凰堂の社長令嬢である鳳城葵はもとは和菓子職人でした。
葵の手首の怪我は富樫瞬という元同僚のせいだということが明らかになります。
その富樫が再び葵の前に姿を現したことから栗田は警察に連絡すると言いますが、葵は頑なにやめてくれと言います。
一体どんな事情があるのか気になるところでした。
また、葵が「今まで話せなかったことを全て話すから、木曜日に埼玉県のある場所に一緒に行ってくれないか」と言ってきて、栗田も同意しました。
いよいよこのシリーズが佳境を迎えていることが分かりました。

栗田が行きつけの喫茶店に行くと、マスターと富樫瞬のことの話になりました。
もともと栗丸堂に葵を紹介してくれたのはマスターで、マスターは葵の事情についても知っていました。
栗田と話している中、マスターの口から真澄伸一という名前が出ます。
この人物も葵と富樫瞬とのことに大きく関わっていて、一体何があったのかますます気になりました。
冒頭でこういった展開がありながら「水羊羹」の話は進んでいきます。

この話ではマスターの紹介で白鷺(しらさぎ)敦という茶道の跡取り息子が栗丸堂に水羊羹を食べにきます。
葵が水羊羹について蘊蓄を語るのですが、羊羮と水羊羮の違いは含まれる水分量の違いだけというのは意外でした。
水羊羹の場合はふんだんに含まれる水の分だけ他の材料の割合が減り、結果的に羊羹より餡や砂糖の甘味が抑えられるとのことです。
水羊羮は本来は夏ではなく冬の和菓子でしかもおせち料理だったというのも意外でした。
水羊羹は水分を多く含むので傷みやすく、冷蔵技術が未発達だった時代の人は寒い冬にしか食べられなかったとのことです。

水羊羹を食べている時は美味しそうに食べおかわりまでしていた白鷺ですが、なぜか食べ終わった後に態度が一変します。
急に態度が悪くなり栗丸堂の水羊羹は口に合わないと言います。
「何がどう口に合わなかったんですか?」
と聞く栗田に、
「いや、特に何が、というわけじゃなくて。あえて言うなら……全部?」
と全否定する白鷺。
これには栗田も葵も唖然としました。

ただ葵は和菓子に関する並外れた洞察力で白鷺の正体を見破ります。
そして葵と栗田の二人は白鷺から真意を聞くべく、高田馬場にある白鷺流宗家の御屋敷に乗り込みます。
赤坂鳳凰堂の水羊羹のほうが圧倒的に美味いと豪語する白鷺敦に対し、それを上回る水羊羹を食べさせるための戦いが始まります。


「きんつば」
白鷺との戦いの次の日から物語が始まります。
冒頭、和菓子の戦いの末なんと栗田と仲良くなった白鷺が栗田にメールを送ってきました。
白鷺はかなり頻繁にメールを送ってきていて構ってちゃんぶりを発揮していました。
この話では風船羊羮の由来が興味深かったです。
表面のゴムに爪楊枝を刺すと皮が剥けて食べられるようになり、なかなか面白い和菓子らしいです。
その風船羊羹の原形は、福島県二本松市の老舗和菓子店が昭和初期、軍の依頼で新鮮な羊羹を戦場の兵士に食べてもらうため、ゴムに入れて密封する方法を考案したとのことです。

栗田は白鷺敦に呼ばれ、白鷺邸に足を運びます。
そこでは白鷺敦の母、英恵(はなえ)が登場。
英恵は白鷺宗家の悩み事について打ち明けます。
英恵の義父、白鷺宏一郎は現在75歳。
先代の白鷺流家元であり、今の家元である白鷺宗命(そうめい)の実父にして敦の祖父です。
家元時代の宏一郎は茶名を宗角(そうかく)、斎号を天々斎といい、白鷺流十六代家元・天々斎白鷺宗角と名乗り大活躍していました。
その人物が家元の座を息子の宗命に譲ってからはどこか気が抜けたようになりました。
さらに外を歩いている時に中学生の自転車と衝突して足首を複雑骨折してからは精神的な何かが崩壊してしまったらしく、怪我が完治してからも寝たきりの状態になっています。
ほとんど言葉も発しなくなってしまった宏一郎が「何か食べたいものは?」と聞かれるとうわごとのように答えるのが「あのきんつば」。
英恵は様々な和菓子店に足を運び、最高級のきんつばを多々買い求めたのですが、どれを口にしても宏一郎は違うと言います。
途方に暮れていた時、息子の敦が最近知り合った栗田という和菓子職人のことを熱烈に推したので、藁にもすがる気持ちで栗田に相談してきたとのことでした。
ほとんど手がかりがない中、栗田は宏一郎の食べたがっているきんつばを探していくことになります。

栗田が幼馴染みでありグルメ雑誌のライターでもある八神由加とともに、きんつばを求めて浅草を歩いた時に出てきたお店が興味深かったです。

「創業明治36年、浅草のきんつば好きの間では有名な店だ。」

とあり、風格のある老舗のお店が登場しました。
実在するお店をモデルにしていると思われ、どんな和菓子店なのか後で調べてみようと思います。

宏一郎が求めるきんつばには一向に行き当たらず、途中からは葵の力も借りて試行錯誤していきます。
宏一郎が求める『あのきんつば』とは何なのか?
大きな謎が立ちはだかります。

きんつばはもともとは関西が発祥で、「ぎんつば」と呼ばれていたらしいです。
これは知りませんでした。
そしてこのネーミングが宏一郎の求めるきんつばの謎を解く鍵になっていました。


「水饅頭」
宏一郎のきんつばの謎を解いての白鷺邸からの帰りから物語が始まります。
栗田が店に帰ってくると、栗丸堂の前には不良高校生達がたむろしていました。
富樫瞬のことで栗田の身を心配した八神由加が援軍として読んだのでした。
みんな栗田の力になりたいと言っていました。
栗田にとっては弟分達であり、彼らの申し出を受けて、富樫瞬の大捜索が始まります。
その中の一人、みんなに招集をかけた観月というムードメーカー的な高校生はなぜか一人だけ帰ろうとしていました。
栗田が事情を聞くと、観月はロードバイクを盗まれてしまい、捜索に加わろうにも足がないとのことでした。
そして観月はロードバイクを盗まれた時の目撃証言から、盗んだ犯人が富樫瞬なのではと睨んでいます。
観月、栗田、八神由香、さらに浅羽怜も加わって、ロードバイクが盗まれた時の目撃者に話を聞きに行きました。
ちなみに浅羽は栗田に「この件が終わったら話がある」と言っていて、何なのか気になりました。

富樫瞬を追う大捜査網が展開される中、剣持照久というIT企業の元社長が登場しました。
金こそが我が人生、移動の際もポルシェしか使わないと豪語していたネット時代の寵児です。
しかし脱税、会社倒産、残された莫大な借金と寵児から一転して転落人生になり、今は行方をくらまして雲隠れしています。
私は剣持照久のモデルはホリエモンこと堀江貴文氏のような気がしました。

この話の終盤、ついに葵と富樫瞬、そして亡くなった真澄伸一の間に何があったのかが明らかになります。
葵が喧嘩のような暴力的なことが行われると顔面蒼白になる理由も分かりました。
次の5巻でシリーズは一区切りになるようなので、どんなクライマックスになるのか楽しみにしています。


※図書レビュー館(レビュー記事の作家ごとの一覧)を見る方はこちらをどうぞ。

※図書ランキングはこちらをどうぞ。

「漁港の肉子ちゃん」西加奈子

2015-12-12 16:35:56 | 小説
今回ご紹介するのは「漁港の肉子ちゃん」(著:西加奈子)です。

-----内容-----
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。
肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。
太っていて不細工で、明るい―
キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。
ちゃんとした大人なんて一人もいない。
それでもみんな生きている。
港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。

-----感想-----
「肉子ちゃんは、私の母親だ。
本当の名前は菊子だけど、太っているから、皆が肉子ちゃんと呼ぶ。」

肉子ちゃんの娘、喜久子によるこの語り出しで物語は始まります。
小説のタイトルは「漁港の肉子ちゃん」ですが物語は娘の喜久子の視点で進んでいきます。
肉子ちゃんは太っていて話し方もパワフルで、いつも語尾に「!」や「っ!」が付き静かに話すということがないです。
冒頭、肉子ちゃんと喜久子が今住んでいる北陸の小さな漁港に流れ着くまでのいきさつが語られるのですが、喜久子の語り方がなかなか面白かったです。

16歳で大阪に出て繁華街のスナックで働き、27歳で大阪を離れる時。
27歳。ボロボロだった。

次に住んだ名古屋を離れる時。
30歳。ボロボロだった。

その次に住んだ横浜を離れる時。
33歳。ボロボロだった。

その次に住んだ東京を離れる時。
35歳。ボロボロだった。

肉子ちゃんは行く先々で毎回男に騙されてボロボロになってしまいます。
この「○○歳。ボロボロだった」の語りが読んでいるとシュールでツボにはまります。
ボロボロではなかった時期がほとんどないのではというくらい、肉子ちゃんの人生はボロボロの連続です。
こうして肉子ちゃんが35歳の時ついに北陸の小さな漁港に流れ着き、肉子ちゃんと喜久子はそこで暮らすことになりました。

語り手の喜久子は小学5年生の11歳。
11歳とは思えないほど、喜久子から見た肉子ちゃんのことが大人びた文章で淡々と書かれています。
小さい頃から肉子ちゃんのボロボロの姿を見てきた結果、大人びた子になったのかなと思いました。

喜久子はとても可愛いらしく、本人もそれを分かっています。
マリアちゃんというクラスの友達と帰っている時、隣のクラスの男の子三人が後ろをついてきて、マリアちゃんは自分のことが好きでついてきていると思っていたようですが、実際には喜久子のことが好きでついてきているのが読み取れました。

ちなみに肉子ちゃんと喜久子の苗字は見須子(みすじ)です。
苗字にも名前にも子が付き、さらに母娘で同じ名前で、喜久子はクラスの子達にからかわれる前に自分で笑い話にしていました。
肉子ちゃんは「うをがし」という焼肉屋に住み込みのような形で働いています。
「うをがし」のすぐ近くに小さな家があり、そこを「うをがし」の主人、サスケ(サッサン)から借りています。

ある日喜久子は、マリアちゃんと帰っている時に後ろをつけてきた三人の男の子の一人、二宮にバスに乗っている時に遭遇します。
喜久子の中で段々二宮が気になる存在になっていきました。

マリアちゃんはなかなか厄介な子で、この子の画策でクラスの女子が分裂してしまうことがありました。
クラスには金本さんと森さんという、運動神経抜群で中心的な女子が二人います。
お昼休みになるとこの二人が別々に分かれ、それぞれクラスの女子の中からメンバーを四人選んでバスケットボールの試合をします。
マリアちゃんは森さんのチームに大抵四人目くらいで選んでもらえます。
ただし金本さんはマリアちゃんのことは決して選ばないです。
マリアちゃんもそれを知っているから森さんにばかり愛想を振り撒きます。
金本さんは、常に一番に喜久子を選びます。
喜久子も運動神経は相当良く、バスケも上手いです。
そんなある日、マリアちゃんから家に遊びに来ないかと誘われます。
他のメンバーは森さん、ヨッシー、さやかちゃん、明智さんという、森さんがいつも選ぶバスケのメンバーで、喜久子は嫌な予感がしました。
マリアちゃんの家に行きたくない喜久子は肉子ちゃんの「行かんかったらええやんっ!」に後押しされて行かないことにするのですが、結局次の日学校でマリアちゃん達5人に捕まります。
そしてマリアちゃんから「今度から昼休みに金本さんにバスケ誘われても私達は断る。キクりんもこっちのグループに入りなよ」と迫られます。
それを断ったために、これ以降マリアちゃんから陰湿な嫌がらせを受けることに。
友達関係には致命的な亀裂が入りました。
マリアちゃん達5人が昼休みのバスケをしなくなったため、金本さん達のグループとマリアちゃん達(森さん達)のグループも険悪になりました。

これは、1組の女子の、大きな転機なのだ。

こんな風にクラスに亀裂が入って分裂することは、現実にあるのだろうと思います。
大人になると実に小さい上にくだらないことに見えても、子供にとっては大事件です。

北陸が舞台だけに、方言が印象的でした。
「来たんらよ」「そうなんらて」などの言葉が登場しました。
「してたっけさ」という言葉を見て、福井弁が思い浮かびました。
漫画「ちはやふる」に福井県に住む人がいて同じ方言を使っていたので、もしかしたら福井県が舞台かもと思いました。
北陸が舞台だけに北朝鮮による拉致問題のことが出てきました。
漁港で三つ子の老人が拉致された人の帰りを待っている描写は切なかったです。
夏休みが終わり、2学期が始まると、クラスにはまたしても変化がありました。
激動の時代を過ごしているなと思います。
食欲の秋ということで肉子ちゃんが益々太っていくのと対象的に、喜久子はクラスの不穏な空気のせいか食欲が落ちていきます。

この秋は色々なことがあり、喜久子は綺麗なモデルの写真撮影をしていた写真家が好きになったりしていました。
そして肉子ちゃんは夜中に誰かと電話をしていることがよくあります。
喜久子は寝たふりをしているのでその電話のことを知っています。
また新たな男に騙されているのではと喜久子は懸念していて、電話の相手が誰なのかは気になるところでした。

やがて物語の後半、「みう」と「ダリア」という二人の女性の物語が始まります。
この物語によって、なぜ菊子と喜久子、娘の名前が母と同じになったのかが分かりました。
そして物語終盤、いつも大人びてどこか周りと距離を取っている喜久子に「うをがし」の主人、サッサンが諭す場面は印象的でした。
肉子ちゃんも喜久子も、自分の人生を精一杯生きています。
久しぶりに読んだ西加奈子さんの作品、印象に残る一冊でした。


※図書レビュー館(レビュー記事の作家ごとの一覧)を見る方はこちらをどうぞ。

※図書ランキングはこちらをどうぞ。

つきじ弁当

2015-12-11 20:51:53 | グルメ


写真は東京駅のエキュートにある「つきじ 喜代村 エキュート東京店」で買った「つきじ弁当」です。
山陽に来てからは東京⇔広島を新幹線で移動するのでよく駅弁を買います。
東京駅はエキナカがかなり充実しているので弁当も種類が豊富です。
つきじ弁当は名前のとおり海鮮で有名な「築地市場」をイメージした作りになっています。

まずはあさりの佃煮。
私はあさりは特に好きではないのですが、これは美味しく食べられました。
パクパクと食べられる素晴らしい味付けです。
佃煮の下には金糸玉子とごぼうが入っていました。
ちなみにこのお店には「深川弁当」というあさりの佃煮だけに特化した弁当もあります。

次はさけのハラス焼き。
ハラスとは鮭のお腹の部分で、脂が乗っていて美味しいとのことです。
たしかにかなりの美味しさだと思います

ショートサイズのうなぎの蒲焼きも入っていました。
蒲焼きのご飯には金糸卵と紅そぼろでした。

他にはほうれん草のおひたし、ひじきと豆の煮物、たくあんの漬物などが入っていました。
築地らしく魚介類をメインにした美味しい弁当でした。
また食べてみたいと思います

靖国神社の公衆トイレ爆発犯が逮捕

2015-12-09 19:38:20 | ウェブ日記
11月23日、靖国神社の公衆トイレに爆発物が仕掛けられ爆発するという事件がありました。
完全にテロ行為です。
私も利用したことがあるトイレだったためぞっとしました。
その容疑者が今日、警視庁公安部によって逮捕されました。

逮捕されたのは韓国人のチョン・チャンハン(全昶漢)という男。
やっぱりかという思いです。
近年起きた靖国神社放火事件や靖国神社放尿事件など、靖国神社への犯罪行為には高い確率で韓国人が関与しています。

この事件の捜査にあたったのは警視庁公安部。
殺人事件を担当するのが警視庁捜査一課なのに対し、警視庁公安部は極左テロリスト(過激派)関係を担当しています。
警察もこの事件は「テロリストによるテロ行為」と見て捜査していたというわけです。
テレビと新聞はどういうわけか「テロ」という言葉をあまり使わないようにし、「爆発音が起きた事件」「爆発音が起き不審物が見つかった事件」などと表現を変えていますが、やっていることはどう見てもテロ行為です。
何日も前から韓国人の関与が疑われていましたし、マスコミ的にはどうにかして「大した事件ではないですよ」と矮小化したかったのでしょう。
また、犯人が韓国人であるのが明らかになったことから、テレビと新聞は韓国の擁護に走る可能性があります。
韓国に都合の悪い展開になると論点をすり替えて「怒るな」「韓国の言い分も一理ある」「良い韓国人だっている」「日本が悪い」というような方向に持っていくことがテレビと新聞ではよくあります。

今回のテロ行為、韓国人による靖国神社への冒涜、犯罪もここに極まれりで、私は一段と韓国という国の狂気の反日ぶりに嫌悪感を持ちました。
もちろん韓国人が一人残らず全員反日思想剥き出しの反日韓国人であるとは言いませんし、中には良識的韓国人もいるでしょう。
しかし国レベル、個人レベル双方で一年中次から次へと日本に対し嫌がらせ、犯罪をしてくる実態を見ていると、そのような国に対しては明確に嫌いになります。
文字通り一年中因縁をつけ嫌がらせの限りを尽くす狂信的反日国家に対し、好感を抱けというのが無理な話です。
ツイッターでは何が何でも韓国を擁護し、「嫌いになること自体を許さない、差別だ」と主張するような狂信的な韓国擁護者を見かけることがありますが、まずは韓国及び韓国人の尋常ではない反日ぶり、日本に対する度重なる嫌がらせ、犯罪の数々をきちんと直視したほうが良いのではと思います。

忘年会

2015-12-08 20:03:10 | ウェブ日記
先週の金曜日は職場の忘年会でした。
今年ももう忘年会の時期になったのかという心境です。
私が飲んだお酒はビールと生絞りグレープフルーツサワーとブラッドオレンジの三杯でした。
料理がなかなか美味しく、鳥をメインにした料理を美味しく頂きました。

忘年会が行われると、より一層年末を意識します。
今年も残り23日です。
何となく気持ちはソワソワとしていて年末らしい心境になってきました。

年末に実家に帰省した時も高校の友達と飲み会でもできたら良いなと思います。
年末やお盆になるとわりとよく誘ってくれるのですがここ何年かはタイミングが合わずに飲み会ができずにいました。
近々年末の予定を聞いてみようと思います。
久しぶりに再会できればお酒でも飲みながら色々話せるのではと思います。
縁は大事にしたいところです。

釜八の豚汁うどん

2015-12-02 19:01:20 | グルメ


写真は「さぬきうどん 釜八(かまはち)」といううどん屋さんの「豚汁うどん」です
広島の八丁堀にお店があります。
釜八は讃岐うどんの専門店で、チェーン店のようです。

何となく美味しそうな予感がしたのでお店に入ってみました。
セルフ形式になっていて、お盆を持って食べたいうどんを頼むと素早く作ってくれます。
そして天ぷらやおにぎりなど、他にも食べたいものがあれば取るという形です。

私は「冬季限定 豚汁うどん」が目に留まり、豚汁もうどんも好きなのでこれは美味しそうだと思い注文してみました。
食べてみると、予想どおり美味しかったです
大根と人参とごぼうと豚肉、この組み合わせはいつ食べても美味しい最強の組み合わせだと思います。
うどんはつるつるしていてさらにコシもあり、これぞ讃岐うどんという食べ口でした。
大きさは並で注文したのですが、このうどんは大盛りでたくさん食べてみたいなと思いました。
冬の間は豚汁うどんをやっているようなのでいずれまた食べに行きたいと思います