だって、どうしても観たかったんだもん!
・・・・・と、唐突に意味不明なことをつぶやいておりますが、それは7/26日 (水) のこと。
私の仕事は、月の最終週の数日だけが、ちょっとだけ忙しさから解放されるのですが、逆を言えば、有給休暇もこの期間しかとれません。
そんなわけで、7月は26日の水曜日に休暇をいれていたのですが、この日はあることを念頭に狙った日でもありました。
それは、「7月大歌舞伎」 夜の部。
そう、あの市川海老蔵さんの長男・勸玄君が、弱冠4歳にして宙乗りに挑戦するという、「駄右衛門花御所異聞」 が観たかったんですよ。
6月22日に海老蔵さんの妻・麻央さんが他界してからわずか11日後に開演された舞台。
母の切なる思いを背負った4歳の幼子の初舞台を、みんなハラハラとした思いで、見届けたいと思ったのでしょう、チケットは売り出しと同時にほぼ完売。
もちろん、最終週しか休みの取れない私にとっては、かなり高いハードルでもあったわけです。
前日までキャンセルチケットも狙ってみたけれど、結局最後まで予約券を手にすることができなかった私は、当日 「幕見席」 を狙うことを決意する・・・・。
ご存知でしょうか、幕見席。
歌舞伎といえば、全席指定のようなイメージがありますが、当日売り、早いもの勝ち (笑) の席があるんですよ。
歌舞伎座の4階に 「一幕見席」 という特別 (笑) な席がありまして、やはり特別なエレベーターで一気に4階へ直行。
1~3階席までの指定席とは、決して越えられない境壁があるんですが、舞台全体を見渡せるこの幕見席、私は嫌いじゃございません (爆笑)
もちろん、人気のある舞台は・・・・・・朝早くから行列だったりしますが、逆をいえば、どんなに人気のある舞台でも、早くから並べば必ず見ることができるということです。
お目当ての夜の部、開演は午後4時45分。
発売予定時間は午後2時20分。
で、私が何時に歌舞伎座の幕見発売の列に並んだかといいますと、午前10時半。
・・・・が、すでに夜の部には、50名ほどの先客が並んでいた・・・・・ (汗)
今回は、宙乗りがある舞台なので、4階の幕見席は、通常の公演よりも20席ほど席が少なく、着席できるのは、約40席。
51番の番号札をもらった私は、案の定、立ち見決定である。
それでも60名で sold-out なので、ぎりぎりセーフでラッキーだと言えなくもない (笑)
また、この日は雨模様で若干の風もあり、気温も低かったため、並ぶコンディションとしては、ますますラッキーであった、ともいえる。 (前向きな私)
幕見席の必須アイテム・オペラグラスと、4階で借りたイヤフォンガイドを手に、「宙乗りのカンカンがよく見える場所」 に陣取る (笑)
正直なところ、話はちょっと複雑なのだが、敵同士の二役(日本駄右衛門、玉島幸兵衛)を早変わりで務める海老蔵の大立ち回りはすごかった!
そして生き別れていた妻が、自分の腕の中で亡くなるシーン。
「来世でも夫婦になろう」 などというセリフを放つ海老蔵さんの心はいかばかりであろうか。
夜の部は3幕構成で、話題の宙乗りは、2幕目のラスト。
舞台中央に現れた、秋葉大権現 (海老蔵/3役目) が、使わしめの白狐を呼ぶシーン。
多分、歌舞伎座にいた全観衆が耳と目を花道に集中させていたことであろう。
「白狐よ、来たれ」
「はーい」
花道をトコトコとスキップするように走りでてくるカンカン。
場内は割れんばかりの拍手と歓声。
大向うからは、「カンゲン!」 の呼び声。 (成田屋じゃないのね 笑)
花道の七三あたりで、トンッと見得を切り (カワイイ)、
「勸玄白虎、御前に」
「参るぞよ」
「はーっ!」
この日は、翌日に千秋楽を控えたラスト2の舞台。
初日に 「出たくない」 と言って、周囲をやきもきさせた4歳児は、23回の舞台を経て、立派な歌舞伎役者に成長したかのように見えた。
もう、おばちゃん泣いちゃうじゃないかぁ!
白狐は、黒子さんに抱えられて、花道から舞台中央の秋葉大権現の元へ。
そしてその数分後、すっぽんから現れた海老蔵さんの右手に抱えられた勸玄白虎が、ゆっくりゆっくり宙を舞う。
海老蔵さんのブログによると、「宙乗りのあとに、かんかん、セリフ言っていい?」 と尋ねてドギマギさせ、その後 「有難い程の拍手にて聞こえなかったかもしれませんが、なんか言ってました」 と海老蔵をうならせたカンカン。
オペラグラスでカンカンを追っていた私の目にも、「何か言ってる」 のがはっきりわかりましたよ (笑)
何言ってたんだろうね。
石川五右衛門が好きだって言ってたから、「絶景かな、絶景かな」 かな www
4歳の勸玄君の初舞台。
最期まで心配していたママも、きっと近くで見ていたことでしょう。
今回の初舞台が彼の記憶にどこまで残るかはわからないけど、「記録」 は残るよ!
すごいね、勸玄君!
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白狐のお面はいかが?