一関市花泉町永井地区北東部、丘陵地の集落道をゆるやかに北へ下って行くと、道路法面
にたくさんの白い小花を付けた植物が群生しています。メドハギの花ですね。
ほとんどの株が咲き始めたばかりのようで、まだ2~3分咲きといったところでしょう。
周辺を見渡すと、日当たりのよい場所では草全体に花が付いていて、遠目には一つの大き
な花穂のように見えます。
メドハギはよく見かける植物で、土手や道端、農地周りなどの日当たりのよい場所に生え
ていますが、花付きのよい株を見かけることは滅多にありません。
タイミングよく、花の盛期に巡り合わないだけかも知れませんけど・・
二枚とも2020.9.17撮影
道路法面や大形構造物の周辺は、土を突き固めて安定させていますが、土が露出している
と景観が損なわれますし、大雨が降ると大きく抉られたりします。
それらの対策として緑化工事が施され、工法としては保水材に植物の種子を含ませたもの
を吹き付けます。この吹き付け種子の中にメドハギの種子が入っているので、道路法面で
メドハギが繁殖しているわけです。
法面緑化はなっても、新たな問題が生じています。
吹き付け種子の多くは中国からの輸入品といわれ、外来種のカラメドハギやシベリアメド
ハギなどが混入している可能性があるといいます。また、在来のメドハギと同種の種子だ
ったとしても、在来と外来の遺伝子攪乱などの問題点が指摘されています。
特別花付きの良い株が、中国産だったりすると興ざめなんですけどねぇ・・
2020.9.17撮影
マメ科ハギ属の多年草で、日本全土に分布する。草丈は60~100cm。
河川敷や土手、道端や農地周りなどの日当たりのよい場所に自生する。
茎は直立し、毛が多く縦に稜線があり、上部では多くの枝を分ける。
葉は密に互生し、3小葉からなる。小葉はくさび形〜倒披針形で長さ1〜2.5cm、先端は凹
み、基部はくさび形。短い葉柄があり、裏面には伏毛がある。
花期は8〜10月、葉腋にごく短い花序を出し、数個の花を付ける。花は淡い黄白色の蝶形花
で長さ5~7mm、旗弁の基部に赤紫色の斑がある。萼は深く5裂し、裂片は披針形で長さ
2~3mm、毛が密生する。閉鎖花も葉腋に数個ずつ付く。
果実は豆果。扁平な円形~広楕円形で直径3mmほど、中には種子が1個入る。
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