里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ショウブ(菖蒲) の花 肉穂花序

2018-06-22 | 日記
松島町手樽地区の東部、丘陵地の裾に沿った農道を上がって行くと、奥に小さな
ため池があって、そこにショウブ(菖蒲)が群生していました。

花菖蒲ではなく、端午の節句に邪気払いとして軒先に吊るした、あの菖蒲です。
かつて、菖蒲を池や用水堀から採ってくるのは、子供たちの仕事でした。
我家では菖蒲湯にも入りましたが、昭和30年代の半ばあたりから行われなくなりまし
たね。木の風呂桶から、タイル張の風呂に替わった頃からでしょうか。




                             二枚とも2018.6.17撮影

群生するショウブを眺めていると、くすんだ黄緑色のイモムシのような物が見えます。
しゃがみ込んでショウブの間を覗き込むと、花のような・・或いは果実のような・・
改めて探してみると6~7本見つかりましたが、これを付けていないショウブの方が多いですね。
ざっと20~30株に1本の割合でしょうか。

調べてみると、これはショウブの花ですね。専門用語で「肉穂花序」と呼ぶようです。

花は目立たない黄緑色の肉穂花序で5~6月に咲く。
花茎は葉と同じ形で、花序の基部には包が一枚つくが、これも花茎の延長のように伸びるので、
葉の途中から穂が出たような姿になる。





                             二枚とも2018.6.17撮影

ショウブ科(従来の分類ではサトイモ科)ショウブ属の多年草で、北海道〜九州に分布する。
湖沼やため池、水路、湿地などに自生する抽水植物で、根茎は赤みを帯びて太く、分枝しながら横走、
各節から太く丈夫な根を泥中に張る。根茎や葉には特有の芳香がある。
根生葉は地下茎の先端から束生して立ち上がり、剣形~線形で長さ50~100cm、巾1~2.5cm、先端
は尖る。葉質はかたく光沢があり、中央脈は隆起している。
花期は5〜6月、葉間から花茎が伸び、長さ4〜8cm、直径6〜10mmの肉穂花序を付ける。
その先に葉状の長い苞がつくので、葉の側部に花序がついているように見える。
花は黄緑色で直径1~2mm。花序に密生しており、花被片6、雄しべ6、雌しべ1からなる両性花。
日本国内にあるショウブはほとんど不稔で、めったに結実しない。




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