大和町吉田地区の根古集落西方に、赤崩山という標高620mほどの山があります。
根古川の支流沿いに、その麓まで荒れた林道が伸びているので、これを踏査しました。
林道の下部には僅かながら田畑があったり、牧草地らしき平坦地もありますが、上の方は
多くが杉林で、所々に雑木林が残されています。
それでも林道沿いは明るく、各種スミレやキブシの淡黄色の花を観察できます。
日当たりの良い林道脇に、小さな白い花を見つけました。
花の形からシソ科の植物でしょうね、たしか・・ニシキゴロモといったような ?
二枚とも2017.4.22撮影
帰宅後、植物図鑑でニシキゴロモを引いて写真を見比べると、花の形はニシキゴロモに似て
いますが、色が違いますね。写真の花は白花で、ニシキゴロモは淡紫色ですから。
それと、似たような唇弁花ながら、写真の花には二枚の上唇弁がありませんね。
さらに植物図鑑をめくると、ツクバキンモンソウという植物があって、こちらは白花で
上唇弁がありませんから、これでしょうね。
念のため分布域を確認すると、本州の太平洋側、或いは宮城県以南の本州となっています
から、ツクバキンモンソウで間違いないでしょう。
漢字表記すると筑波金紋草ですから、小さな野草に しては良い名前を貰ったものです。
2017.4.22撮影
シソ科キランソウ属の多年草で、本州の太平洋側~四国に分布する。
丘陵~山地の林床や林縁に自生し、草丈は5~15cm。
茎は紫色を帯びて立ち上がる。葉は対生し、葉柄は長さ1~2cm、紫色を帯びる。
葉身は長楕円形~広卵形で長さ2~6cm、幅1~3cm。葉縁は円鋸歯。葉表は葉脈が濃紫色で、
毛が散生し、光沢はない。葉裏は紫色を帯び、毛が散生する。
花期は4~5月で、花は唇形花で淡紅紫色~白色、葉腋に2~6個ずつ付く。
花冠の上唇弁がごく短く、2裂して長さは1mmほど。雄しべは4個で、花冠の外に出ている。
下唇は3裂して大きい。萼は長さ6mmほどで5裂し、毛がある。
花後の果実は4分果。
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