東松島市宮戸島、大震災の後の復旧農地を廻る農道を歩いて行くと、防潮堤近くの草地に
太めの穂が20~30本立ち上がっていて、密に付いた小穂の先に白い芒(のぎ)があるので、
小動物の尻尾のように見えます。イネ科の植物と思われますが、初めて見る植物ですね。
周囲を見渡すと、10~20本の小群落が幾つかあります。
二枚とも2023.6.26撮影
帰宅後に「イネ科ハンドブック」をめくると、ヒエガエリという植物が収載されていて、
草姿はそっくりですが、この植物には小穂の先の白い芒がありません。
他によく似た植物があるのでしょうか ? ネット検索でしらべてみましょう。
幾つかの記事を読み込んでいると「ハマヒエガエリとは芒の長さが著しく異なる」という
記述を見つけました。改めてハマヒエガエリで検索すると、本州〜沖縄の海浜の湿地に生
育する、とあって小穂の先には長さ6~10mmの芒があると記述されています。
穂の写真を見比べると、私の写真の植物とそっくりですから、これで間違いないでしょう。
本州~沖縄に分布とあるものの、多くの都府県で絶滅危惧種に指定されているようです。
二枚とも2023.6.26撮影
イネ科ヒエガエリ属の二年草で、本州〜沖縄にぶんぷする。草丈は30〜60cm。
海浜湿地や河口近くの河川敷、海岸近くの湿り気のある草地などに自生する。
稈(茎)は叢生し、直立または膝状に曲がる。
葉身は狭~広線形で長さ8〜15cm、先端は鋭形。表裏とも少しざらつき無毛。質は薄く柔
らかい。葉鞘は平滑・無毛。葉舌は長さ2~8mm。
花期は5〜6月、花序は穂状で長さ5〜7cm、直径7〜10mm、小穂が密に集まる。
小穂は長楕円形、1小花からなり、2個の包穎はともに披針形、長さ2mmくらいで毛があ
り、先端近くから長さ6〜10mmの芒を出す。護穎は卵形、薄く光沢があり、短い芒をつけ
る。果実は長楕円形、腹面は溝状にくぼみ、乳褐色、長さ1〜1.5mm。
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