9月初旬、一関市花泉町日形地区の丘陵地を踏査した際に、花がノボロギクに似ている植
物を撮ったのですが、素性が判らずに放置していました。
いつまでも放っておくと忘れるので、暇な時に調べてみました。
丘陵地の間の窪地のような地形の底に数枚の耕作放棄田があって、畦や乾いた場所に踏み
込んで植物観察していると、背高なノボロギクのような植物が点々と、或いは5~6株が
集まって生えています。頭花は筒状花のみで、舌状花はありません。茎や枝を伸ばしなが
ら次々と花を付けるようで、早いものは既に綿毛のような冠毛を付けています。
名前は判りませんが、ノボロギクが属する「キオン属」の帰化植物でしょうか。
各部位の特徴を把握し、帰宅後に植物図鑑等で調べてみましょう。
二枚とも2020.9.3撮影
「野草図鑑 たんぽぽの巻」でノボロギクを検索し、その前後のページをめくっていると、
私の写真によく似た植物が載っていて「ダンドボロギク」とあります。
北アメリカ原産の帰化植物で、頭花は写真のように筒状花のみ、舌状花はありません。
1933年(昭和8年)に、愛知県の段戸山で最初に見つけられたため、ダンドボロギクと名付
けられたようです。伐採跡地や道路法面、放棄耕作地などに生えるとあります。
ノボロギクはキオン属ですが、こちらはタケダグサ属となっています。
2020.9.3撮影
キク科タケダグサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。草丈は30~150cm。
現在では日本全土に分布していて、伐採跡地や道路法面、放棄耕作地などに生える。
茎は柔らかめで無毛、直立して上部でよく枝を分ける。
葉は互生し無柄。葉身は広線形~狭披針形で不揃いの大きな鋸歯がある。
茎中部以上に付く葉は基部が茎を抱き、鋸歯は深く羽裂状になる。
花期は9〜10月、茎頂に疎らな円錐花序を出し、多数の頭花を付ける。
頭花は上向きに付き垂れ下がらない。頭花は全て細い筒状花からなる。
花冠の先は淡黄色〜緑黄色、下部は白色。
総苞は長さ1〜1.5cmで、総苞内片は1列に整然と並ぶ。外片はごく小さい。
果実は褐色の痩果で長さ1.8mmほどの長楕円形、白色の冠毛がある。
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