里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤセウツボ 寄生植物

2022-06-30 | 日記

登米市津山町、河川堤防上から河川敷の方へ下り始めると、枯れ色の花穂が5~10本とま
とまって生えています。オニノヤガラという寄生植物に似ていますが、他にも仲間がある
ようなので慎重に同定しなければなりません。先ずは枯れる前の花を探してみましょう。
堤防を下りながら探しますが、全ての花穂が枯れ上がっていて花は見つかりません。

下りきった後は先の方へ登り返し、登り切ってから堤防上を探していると、一本だけ花色
の残っている株を見つけました。花はごく淡い桃色で、周囲にはノシバやシロツメクサが
茂っています。寄生植物は何に寄生するか決まっているようなので、周囲の植生にも注目
しなければなりません。

                              二枚とも2022.6.26撮影

植物図鑑によるとオニノヤガラは雑木林内に生え、丈が60~100cmあるようです。そうす
ると日当りの良い河川堤防に生え、丈が10~20cmしかない写真の植物は別物ということに
なります。オニノヤガラをネット検索し、記事に何かヒントがないか調べてみましょう。

幾つかの記事を読み込んでいると「ゴマノハグサ科のヤセウツボは雰囲気が似ています。
ヤセウツボは明るい草地でシロツメクサ等が生える場所に多いので、森の中に生えるオニ
ノヤガラとは環境が異なります。」という記述を見つけました。
改めてヤセウツボでネット検索し、自生環境や特徴が合致することを確認しました。
ヨーロッパ~北アフリカ原産の帰化植物で、牧草等への混入により我国へ侵入。
昭和初期に千葉県で最初に確認され、今は本州、四国に広く分布しているようです。

                                  2022.6.26撮影

ハマウツボ科ハマウツボ属の1年草で、ヨーロッパ~北アフリカ原産の帰化植物。
荒地や芝生、土手などに生え、主にシロツメクサやムラサキツメクサなどのマメ科植物の
根に寄生するが、キク科、セリ科などの植物にも寄生する。花期の草丈は15~20cm。
全体に茶褐色~黄褐色で、葉緑素を持たない。茎は分枝せず直立する。
葉は茎の基部に多く、鱗片状で長さ1~1.5cm、先端は細く尖る。
花期は5~6月、茎頂の穂状花序にややまばらに唇形花をつける。苞は長さ1~2cmの披
針形で先は尖る。萼は4深裂し、裂片は長さ1~1.5cm、先は尾状に尖る。
花冠は長さ1.5cmほどの唇形花で淡黄褐色。上唇は先がくぼんで紫色を帯び、さらに紫色の
筋や斑点が入る。下唇は3裂し、中央裂片が最も大きく、縁は波形に切れ込む。
雄しべは4個、雌しべは1個で柱頭は大きい。花は蜜を出さず自家受粉して結実する。
果実は蒴果、種子は微小で1mm以下。



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