里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アケボノソウ 鳥沢の林道

2018-09-20 | 日記
栗原市栗駒鳥沢地区北西部、小沢に沿った荒れた林道を上がって行くと、生い茂る
草の間に白い花が咲いています。丈のある茎を伸ばして、たくさんの花を付けている
ので、アケボノソウでしょうか。
歩み寄ると、やはりアケボノソウで、端正な星型の花弁が印象的です。
林道には木々が被さり気味に茂っているため、半日陰になっていますし、土は湿り気
のある赤土ですから、アケボノソウにとっては心地良い環境なのでしょう。
一箇所に群生しているわけではありませんが、3~4本があちこちに生えています。

この小沢沿いの林道では、40~50株咲いていたので、晩秋にはロゼット葉を観察でき
るかも知れません。アケボノソウは二年草ですからね。




                             二枚とも2018.9.15撮影

アケボノソウの名は、白い花びらにある黒紫色の小さな斑点を、夜明けの空(曙)の星に見立て
たとの説があります。由来の真偽はともかく、いい名前ですよね。

花びらの先端寄りに2つ並んだ黄緑色の点がありますが、これが蜜腺で、ここから蜜を分泌
して昆虫を誘うのだそうです。アリが蜜を吸っているのを見たことがあります。
花に止まった昆虫は、花びらの中心側に尻を向けて蜜を吸うことになります。 そうすると、
尻や後足で雄しべ・雌しべに触れますから、受粉を手助けすることになるわけです。
そうそう、昆虫の場合、尻ではなく腹部というのでしたっけ ?


                                 2018.9.15撮影

リンドウ科センブリ属の2年草で、北海道〜九州に分布し、草丈は60〜90cm。
山地の湿った草地や、沢沿いの林道などに自生し、半日陰~日陰を好む。
前年の種が春に発芽し、1年目はオオバコに似たロゼット状の根生葉で過ごし、冬を越す。
2年目に茎を伸ばして花を付けるが、根生葉は花期には枯れている。
茎は太さ2~6mm、横断面は4角形。直立してよく分枝する。
葉は対生し、茎葉は無柄~短柄。葉身は広卵形~卵状披針形で長さ4~9cm、先端は尖る。
全縁で無毛、葉表は濃緑色で3脈が目立つ。
花期は9~10月、葉腋から分枝し、先端に集散花序を付ける。花は白色で直径2cmほど。
花冠は基部近くまで5裂し、先端部には黒点が多数あり、中央寄りには淡緑色で円形の
2つの密腺がある。雄しべは5本で葯は灰~灰白色、雌しべの柱頭は短く2又になっている。
果実は紡錘形状の蒴果で、長さ1.5~2.5cm。種子は黒褐色で、長さ1mmほど。


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