気仙沼市本吉町津谷地区南部、丘陵の裾に沿った集落道を歩いていると杉の切株があって、
それに絡み付いたつるに、金平糖状の実らしきものが幾つかぶら下がっています。
つるや葉は既に枯れていますが、広く繁茂している様子からアレチウリでしょうね。
切株は集落道から50cmほど高い場所にあり、その奥は小広い平坦地になっていますから、
かつては畑だったのでしょう。大津波を被った後は、セイタカアワダチソウやヨモギが茂る
荒地になっていたようで、アレチウリはこれらを覆ってつるを伸ばしています。
二枚とも2020.1.22撮影
アレチウリは北アメリカ原産の帰化植物で、1952年に静岡県清水港で最初の侵入が確認され
ています。アメリカやカナダからの輸入大豆に、種子が混入していたようです。
それが各地に拡散して河川敷や荒地で繁茂し、草地や樹木を覆いつくしては日差しを遮り、
ついには枯らしてしまう強害草です。
2006年に「特定外来生物」に指定され、栽培や移動が禁止されています。
写真の果実にはもうトゲが付いていませんが、実った当初は硬いトゲが密生していて、触る
と痛いそうです。種子には休眠性があり、土中でシードバンクを形成します。冬の低温と乾
湿を経て覚醒し、1~2年後に出芽率が最も高くなります。
「ハニー工房 アレチウリより」
2020.1.22撮影
ウリ科アレチウリ属のつる性1年草で、つるの長さは5~10mに達する。北アメリカ原産の
帰化植物で、現在では日本全土に分布し、日当たりの良い河川敷や原野、林縁等に生える。
茎には稜があって粗い毛が生える。盛んに分枝して伸び、節から3~4岐する巻きひげを出
して他物に絡みつく。葉は互生し、葉身は直径10~20cmの円形で、掌状に5~7浅裂する。
基部は浅い心形。両面とも著しくざらつく。
花期は8~9月、葉腋から雌雄別の花序を出す。雄花序は長さ10~15cmの柄があり、淡黄白
色の花を固まって付ける。雌花序は柄が3~6cmと短く、花は淡黄白色。
果実は扁平な長卵形の液果で長さ1.5cmほど、5~10個が集まった金平糖状で直径2.5cmほど。
表面には軟毛と刺が密生、刺は触るとすぐに取れるが、手に刺さって痛い。
中に種子が1個入っている。
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