大和町吉田地区の根古川上流で、取水した農業用水を下流の農地まで送水する堀が、
岩場の下を通っているので、その周囲を踏査していると、岩に何かの羊歯が生えている
のを見つけました。鮮やかな若草色ですから、ごく最近芽生えた新葉なのでしょう。
羽片の切れ込みの形状や、中軸に付いている翼の形状から、以前茨城県笠間市で観察した
ゲジゲジシダのように見えます。私の場合は、これが県内での初見になります。
分布域が東北中部から九州となっているので、暖地系の羊歯と思われます。
二枚とも2017.4.22撮影
図鑑によっては分布域が北海道南部以南とするものもあり、どの記述が正しいのか悩むところです。
私の解釈としては、東北中部以南では良く見られるが、それより北でも僅かながら自生している、
そんなところで如何でしょう。
名の由来は、中軸に羽片が交互に付いていて、その間に三角状の翼があってジグザグに見える
ことから、これをゲジゲジになぞらえたものようです。
2017.4.22撮影
ヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性羊歯植物で、本州の東北中部以南~沖縄に分布する。
平地~低山の崖や石垣などに自生し、草丈は20~60cm。
根茎は短く斜上し、葉を叢生する。
葉柄は長さ5~25cmでわら色。基部の鱗片は褐色で、線状~線状三角形。
葉身は草質で両面に毛が生え、長さ20~50cm、幅5~12cm、披針形、単羽状~2回羽状深裂、
基部は幅が狭くなる。羽片は線状披針形、最も軸に近い部分は中軸に沿って翼状になる。
裂片は長楕円形~卵状長楕円形。
胞子嚢群(ソーラス)は小さく、円形~楕円形で、縁と中肋の中間に付く。包膜は無い。
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とのことですが葉の出方まで注意して見たこ
とはありませんでした、これからは良く見ようと思います。