里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カワラナデシコのロゼット葉

2017-01-31 | 日記
松島町北小泉地区の、溜池の土手に茂っていたカワラナデシコです。
生育の良い株は茎が少し伸びていて、たくさんの葉が茂ってロゼット葉の形を
なしていなかったため、小さめの株でロゼット葉らしく見えるのを撮りました。

年に3~4回も刈り払いされる場所には生えていませんが、山手の棚田法面とか
このような土手などで、集落の共同作業で年に一度だけ刈り払われるような場所に、
けっこう群生していますね。


                              2017.1.3撮影

カワラナデシコは「秋の七草」の一つに挙げられています。
「秋の七草」と呼ばれるのはハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、
キキョウの七つです。これは万葉集(巻八)で、山上憶良が詠んだことから定着した
もので、春の七草のように食べられるとか、薬効があるとして挙げられたものでは
ありません。野山に出て、秋の風情を楽しめる草花が選ばれています。

万葉集 8巻1537
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花 その一

万葉集 8巻1538
萩の花尾花葛花瞿麦の花 女郎花また藤袴朝貌の花 そのニ


                                 2017.1.3撮影

ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は30~80cm。
多少湿り気のある草地や河川敷、農地法面などに自生し、日当たりを好む。
茎は叢生して直立し、上部で分枝する。
葉は対生し、葉身は線形~披針形で長さ3~9cm、先端は尖り、基部は節を抱く。
葉の両面や縁に微細な粒状突起があるため、粉白色を帯びる。
花期は7~10月、数本の分枝した枝先に、それぞれ1個の花が上向きに咲く。
花は直径は4~5cm、花弁の舷部(花弁の広い部分)は深裂し淡紅色、基部には
ひげ状の毛がある。雄しべは10個。花柱は2個。
苞は3~4対あり、先は芒状に尖る。萼は円筒形で、長さ3~4cm。
果実は細長い紡錘形で長さ3~4cm、萼筒に包まれ、熟すと先が4裂してたくさん
の種子を出す。種子は不定形で長さ2~2.5mm。
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