里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アオイスミレの冬葉 

2017-02-01 | 日記
東松島市大塚地区の内陸には、標高50mほどの丘陵地が広がっていて、その間を
何本かの小川が流れ、流域には水田が続いています。
丘陵の裾には農道が通っていて、山側法面は草木が道にはみ出さないよう刈り
払われています。

そこに何種類かの緑の葉が点在していて、一種は丸葉のスミレのようです。
立ち止まって観察すると、アオイスミレの葉ですね。
前後を改めて確認すると、北東向きの法面にかなりの株数が群生しています。
アオイスミレは地を這うような草姿ですから、人が刈り払いする道路沿いや屋敷
周りの、半日陰を好んで生えるようです。
何箇所かの自生地を思い浮かべると、多少湿り気のある場所を好むようですね。




                            二枚とも2016.12.18撮影

アオイスミレの葉は、秋と春に生え替わります。
秋に生えて冬を越し、花を咲かせて、これが萎む頃までの葉を冬葉と言い、大きさは
直径2~3cmです。写真の葉がそれに当たります。寿命は7ヶ月ほどでしょうね。
冬葉が枯れる頃には夏葉が生えてきます。葉の形は冬葉と同じですが、とても大きく
直径が5cmほどもあり、寿命は6~7ヶ月。
このように一年の間に葉が生え変わるのを、「入れ替え型常緑植物」と呼ぶようです。


                                2016.12.18撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
集落周辺や山地のやや湿った林縁に自生、スミレの中では最も早く咲き、花期は3~4月。
根茎は太くて短く、横に這って密に結節する。
葉は丸く幅1.5~4cm、両面に毛が密生し、縁には低い鋸歯がある。
花は根生し、花柄は長さ4~7cm、花弁の長さは10~13mmで白色~淡紫色。
上弁が兎の耳状に立ち上がり、側弁には少し毛があって、唇弁には紫条がある。
距は短かめで長さ3~4.5mm、上向きに反る。
果実は直径8mmで全面に短毛を密生する。
花後に地際を這うように地上茎を伸ばし、先端に新しい苗を作る。




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