2月5日(月)に内科再来を診ていると、健診センターから患者さんが紹介されてきた。食事摂取量低下・体重減少と軽度の貧血があった。
昨年までの会社の健診には上部消化管内視鏡検査・便潜血検査もあり、問題はなかった。今年は項目が変わり、内視鏡検査・便潜血検査は入っていなかった。
昨年も腹部エコーは項目に入っていないので、肝胆膵腎の関してはわからないが、肝機能検査は正常域だった。
症状は昨年10月の終わりごろから、食事摂取量低下があり、周囲から痩せてきたと言われた。食べていると上腹部がいっぱいになるような感じがするという。嘔気・腹痛はない。
胸部X線を見ると肺気腫があり、喫煙者だった。若い時から1日20本で、最近数年は10本になっている。
健診を担当した先生は、腹部の悪性腫瘍が疑われるとして、外来に回している。上部消化管内視鏡検査・腹部エコーを見て、異常がなければ大腸内視鏡検査になるが、腎機能は問題ないので、最初に造影CTを行うことにした。
2月7日に行ったが、腹部疾患は指摘できず、病変は左肺にあった。胸部X線を見返すと、昨年と比較して左肺の心陰影の背側に陰影があった。少量の胸水も指摘できる。
CTでは左肺下葉に陰影があり、下側へ伸展して胸水がある。肺癌が疑われるが、感染性・炎症性疾患の可能性はどうか。
食事量低下と同時期に咳が続いていたそうで、その後咳があまり出なくなったので、症状としては言わなかったらしい。胸部X線で肺気腫を認めたので、最初に咳・痰と労作時息切れを訊いた時はないといっていた。改めて訊いたが、経過中に発熱はないそうだ。
呼吸器外来に紹介して診てもらうことにした。