1月18日(木)午前中の救急当番の時に、体動困難・食欲不振の95歳男性が救急搬入された。この患者さんは1月13日に同様の症状で救急搬入されていた。肺炎として入院したが、認知症の不穏がひどく15日に退院になっていた。
1月13日(土)は日当直が外部のバイトの先生だった。会ったことはなく詳しくは知らないが、内科専門医の専攻医か、それが終わって各分野の専門医コースのはずだ。東京の超有名病院に在籍していて(大学は当地)、月に1回バイトに来ている。
搬入されたこの患者さんを両側肺炎として入院にした。内科当番は別の先生で、翌14日の日曜日に病棟に診に来ている。抗菌薬(スルバシリンABPC/SBT)が開始されていた。
認知症の不穏がひどくて、15日月曜には退院にした。炎症反応は搬入時により軽減していて、抗菌薬が効いたような経過だった。退院時の内服抗菌薬は、なぜかオグサワ(AMPC/CVA+AMPC)ではなくてクラリスロマイシンにしていた。
外注検査でKL-6を提出していたので、間質性肺炎も考慮していたのかもしれない。KL=6は上昇していた。
18日に再度胸部CTで確認したが、最初に搬入された14日の画像と同じだった。炎症反応もその時の値に戻っている(白血球13400・CRP18.7)。
画像上は間質性肺炎に見えるので、ちょうど呼吸器科外来に来ていた先生に相談した。間質性肺炎でしょう、といわれた。プレドニン30mg/日で治療開始とした。
鑑別として薬剤性と非定型肺炎を上げられた。前者は新規薬剤また被疑薬らしい処方がないことから否定的だった。後者は否定できないが、抗菌薬(使用するとすればレボフロキサシン)を併用しないほうが、診断のためにもいいといわれた。(クラリスロマイシンが効かなかったことは参考になるか)
この患者さんは総胆管結石・急性胆管炎で3回当院に搬入されて、その都度搬送している。2回は地域の基幹病院消化器内科で、1回はそちらが受け入れできずに県庁所在地の専門病院になっていた。今回も総胆管結石を認めたが、総胆管上部にあり、肝機能障害がないことから今のところ悪さはしていない。
その時の胸部CTでは肺病変は下葉背側にわずかな間質性陰影があり、今回は増悪と判断された。
入院後はさっそく不穏がひどく、体幹抑制はまた行うが、向精神薬を数種類併用することにした。最近、間質性肺炎をよく見る。