なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低酸素血症

2024年01月02日 | 呼吸器疾患

 1月1日(月)は病院の日直で出ていた。救急外来に出ていた看護師長さんから、12月30日の日直の時にあった低酸素血症から一時的に心肺停止になった患者さんの話が出た。

 前日29日の当直は新任の小児科医だった(それなりに年配)。救急隊からの搬入依頼が午前8時ごろに2件入ったらしい。搬入は午前8時半過ぎになり、その日の日直の担当になる。2件ともに受けたことをそのまま申し送った。日直は消化器科医だった。

 そのうち隣町の救急隊が搬入した67歳女性は、酸素吸入10L/分でも酸素飽和度が90%満たなかった。コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性だった。

 点滴と血液検査を提出して、胸腹部CTを撮影した。両側肺に肺炎らしい陰影はあるが、著しい低酸素血症は説明できなかった。人工呼吸器管理を要するので、当院では手に負えないとして、地域の基幹病院に搬送する手配をした。

 ところが搬送前に、呼吸が弱くなり、徐脈になった。意識が消失して、一時的に心肺停止となったため、気管挿管をして用手的に人工呼吸を開始してアドレナリンを投与した。心拍と自発呼吸は戻ったが、意識は戻らなかった。

 用手的人工呼吸をしながら、救急車同乗での搬送となった。その日当直の内科医が病院に入院患者を診に来ていたので、もう1台の救急搬入の方を診てくれていた。普通の急性肺炎として入院になった。

 著しい低酸素血症の原因は何だったのだろうか。肺にそれほどの所見がなくて低酸素だと、肺血栓塞栓症になるが。

 

 

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