内科医院からチアノーゼの85歳男性が紹介されてきた。朝、デイサービスに行ったが、手足のチアノーゼを指摘されて、かかりつけの内科医院に連れて行かれた。酸素飽和度が80%で、当院に連絡が入った。前にも同じ医院から肺炎として紹介されたが、右肺にスリガラス状陰影が広がり、浸潤影もあった。通常の肺炎とは違うので、そのまま基幹病院呼吸器科へ搬送した。肺膿瘍と肺アスペルギールス症という診断だった。治療を受けて治癒したが、廃用症候群となり、リハビリ目的で当院に転院した。約1か月で食事もとれて、ある程度動けるようになり、自宅に退院した。
今月に入って飲み込みが悪くなり、ここ数日はほとんど食べていない。胸部X線・CTで左肺に浸潤影があり、これは通常の誤嚥性肺炎と思われた。救急隊が酸素5L/分で搬入したが、酸素飽和度が88%くらいだった。上下肢は冷たく、確かにチアノーゼだが、循環不全のためだった。血液ガスでは酸素分圧130と上昇していた。点滴が始まると、末梢循環が改善して飽和度も98~100%となった。酸素2L/分で下げても95%を保った。手の色も良くなってきた。抗菌薬はユナシンを開始した。一見して骨と皮で老衰の雰囲気がある。肺炎が治っても、嚥下障害で食事摂取が進まないかもしれない。
そこにまた外科のクリニック(内科外科を標榜)から連絡が入って、77歳女性のおそらく肺炎を診てほしいという。熱が39℃と高い。以前にも肺炎で入院した既往がある。来てみると両側肺に浸潤影が散在していた。ただ尿混濁もあって、高熱は肺炎よりも尿路感染症のためかもしれない。内科の若い先生(女性)に頼んだ。さっそく喀痰培養、血液培養、尿培養を提出して治療開始となった。
午後に救急車のサイレンが聞こえたので、また肺炎かと思ったが、深部静脈血栓症の患者さんが当院の血管外科に紹介されての搬入だった。