新しい年が明けた。
今年で38回目となる飯綱登山が恒例となっている。
思えば、ずいぶん長いこと続いている。
多分、現在登っている人たちの中で、一番長いのではないだろうか。
友人の子供たち(もう40台だ)もここ何年か、元日の飯綱登山が恒例となっていたが、兄は暮れに交通事故で脚を骨折、妹は病気で手術のため入院中。そんなわけで登れない。
色々な状況の中で、曲がりなりにも登り続けることができたことに感謝すべきなのだろう。
飯綱山の標高は1917.4m。
双耳峰で、南峰には飯綱神社がある。
頂上は北峰にある。
家を出たのは8時10分。
一人なので、好きなペースで歩けるので、慌てない。
時々、日が差す天気で、遠くは見えない。
登山口の駐車場には車が数台。
しっかりしたトレースが付いている。
一の鳥居コースと名付けられた由来の鳥居。
林の中の登山路を辿りながら、自分が自然と溶け合って、その一部になった感じがした。
静かな雑木林の中で、ふと遠い昔のことを思い出す。
その頃はスキーが盛んで、近くのスキー場から、絶え間なく音楽が流れていた。
右肩上がりの経済の発展が、豊かな未来を約束しているように見えた。
あれからどれくらい遠くに来たのだろう。
今では風の音しか聞こえない。
順調に上り続け、飯綱神社が近くなった。
この鳥居を過ぎれば、あと一息で飯綱神社。
コンクリートの建物の中にこの神社はある。
初詣で、色々なことを祈願する。大分欲張りだな。
ここまで、1時間15分。最高時は1時間5分だったが、ここ何年かはこのタイムだ。
ここから山頂までの釣り尾根は15分くらい。
周囲は雲の中だが、ここだけはとてもいい天気。
山上のプロムナード。
この標識の下には多分1.5mくらいの積雪がある。
快晴なら、北アルプスや北信五岳の山々が見えるのだが、今日は見えない。
新年なので、色々なことをリセットして、新しくスタートしようとも思うが、構えないで自然体でいよう。
自然の声を聴き、体の声を聴くことを大切にしよう。
下りはほとんど走った。
ストックを突いて、アイゼンを付けて、慎重に、慎重に下っている若者もいたが、失礼して先に行かせてもらう。
転んだところで雪の上、けがの心配なんかない。
あっという間に駐車場に着いた。
それから、温泉に向かった。
隠れ湯といった趣の温泉で、それほど込み合わない。
元日はかりん風呂。良い香りがする。
うれしいことに、干支のタオルのプレゼントもある。
甘酒のサービスもある。
本当にゆっくりできるいい温泉だ。
注文した天ぷらうどんも、元日特別メニューのエビ入りだ。
ここ何年か、飯綱山とこの温泉のセットが元日の恒例となっている。
帰宅すると、大晦日に配った年越しそばが美味しかったという電話やメールがあったかみさんが伝えてくれた。