藤圭子さんの歌。
随分昔、大友克洋と矢作俊彦の「気分はもう戦争」という合作マンガ読んだときに作中で歌われていた。
どんな歌なのかな、と興味を持ったのだが、いつしか忘れていた。
初めてユーチューブで聞いたときも大して感銘はうけなかったのだが、最近何度か聞いているうちに段々好きになってきた。
歌詞は死ぬ死ぬ女の嘆き節でたいした事はないが、藤圭子さんの歌声と演奏が良い。
気分はもう戦争、も面白いマンガだった。
アカシアの雨がやむとき、が登場するのは最終回。
上海で飲んだくれてこの歌を口ずさみながら泣いている中年の日本人。
彼は20数年前に国を捨てた男。赤い旗を背負っていつか帰る日を夢見て。
詳細は語られないが政治運動に敗れて中国に逃亡したのだと思われる。
我が国と中国が犯罪者の引渡し協定を取り交わしたため、東京から司法関係者が彼を逮捕しにやってくる。
矢作俊彦は、ららら科学の子、という小説で逆の設定を使っていた。
学生運動に破れ中国に逃亡した男が現代日本にもどってくる、というストーリーだ。
こちらは、気分はもう戦争、とは違って、ハードボイルドだか寓話だか知らないがリアリティの感じられない面白くない小説だった。
藤圭子さんの歌声は、見かけから毒々しいのかな、と思ったがそんなことはない。しわがれてはいるが清潔感がある。
演奏も古臭くて、そこが良い。ピアノとラッパ、ヴァイオリン、良い歌だと思う。
しかし、アカシアの雨、とはなんの寓意なのだろうか。
Wikipediaでそのうち調べてみたい。
※先日カラオケでこの歌を歌ったら、藤圭子ヴァージョンが無くて、友人の話では藤圭子はカヴァーだったらしい。
そういえばyoutubeでも「浪花節だよ、人生は」とかカヴァーっぽいのばかりだった。