なんとなくネットサーフィンしていたら、ELLEという女性誌の記事でローラの事を「毒親」だと決めつけている記事にたどりついた。
読みにくいレイアウトの記事で読むのに苦労したが、感想としてはアメリカのフェミニストが今の価値観で封建的な過去の著名人女性を断罪したんだろうなとは思うが、それだけではないように思えた。
だいたい、ローラの後半生は不幸の連続である。子供を亡くし、家を火事で失い、夫は病気で農業で働けなくなって、やむなく移住せざるをえなくなる。
岩波少年文庫のシリーズ最終巻の「最初の四年間」を読むと、そういう経緯はさらっと書いてあるが、何で今まで大自然にのなかで頑張ってきて立派に成長して独立したローラの家庭がこんなにうまくいかないのか、と悲しくなったものだ。
夫のアルマンゾは若いが遣り手で、大草原の小さな町で長い冬に閉じ込められた時、ローラ一家が飢え死にしかける状況でも、兄と二人でたっぷりとしたホットケーキにメープルシロップをかけカリカリに焼いたベーコンというぜいたくな食事をとっていたくらいなのだが、それでも結婚してからはうまく行かないことばかりのように見える。
ELLEの記事ではローラが毒親だったから、娘のローズが不幸になった、という点を中心に書いているが、当時あのあたりで農業を営むことは大変リスキーだった、と言うようなことも書いている。なんでも表土が削り取られてしまったので、安定して収穫を得る事が難しい土地だったとか。
それらは日本語訳されたローラの物語でも詳しく語られることはなく、今回ELLEの記事で初めて諸々の事情を知った。
ローラの不幸と苦労は西部開拓者に共通したものだと思うが、ローラの娘ローザの不幸はローラに起因するのかも知れない。
末の妹のグレイスが嫁ぎ先で体調を崩して働かなくなった事を実家に恥さらし、みたいな感覚でとらえられ、何の援助もしてもらえなかった、ということも残念。
本当にそうなのか眉唾ではあるが。
ELLEの記事では、一連の物語とはまた違って、過酷な環境の中で家族の厳しい信条を頼りに生き抜き、そのために子供にもつらい思いをさせてしまった、強権的な母親の姿が浮かび上がる。
記事のすべてが真実ではなく、フェミニストの被害者意識の行き過ぎ、ルサンチマン・フィルターにゆがめられている部分が多々あると思いたい。
開拓者の女性の生活が厳しいとしても、大勢同じ環境で暮らしている人たちがいたはずだし、そういう人たちが皆家庭崩壊していたわけではないと思うし、あまりにもローラに対して厳しすぎると思う。
しかし、ある程度は真実を伝えているようにも思われる。
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