インターネットで自転車で世界を放浪する人のブログを読んでいて、ユーコン下りするエピソードに行き当たり、ふと読んでみたくなり、図書館で予約して借りた。
野田知佑は椎名誠の「岳物語」の後書きが素晴らしく、名文家だと思っていたが、この本では淡々とした描写に終始している。
と、思ったがやはりそっと面白い表現をしている。終盤の友好的なポーカーの描き方が面白い。
また、折々にふとあらわれる古典の一節など読むと、相当な文学青年でもあったのだろうな、と思われる。
ユーコン下りは冒険ではなく誰でもできる遊びだ、というのがやや驚きだった。もちろん諧謔や謙遜もあるだろうが、ほとんど経験のない人たちが著者の周囲に次々現れる。
流れに任せて、カヤックに寝そべり川を下る、やってみたいが自分には到底できないだろう。
ユーコンは上流のほうが栄えていて下流はそうでもない、というのも意外だった。
下流は広大な泥と沼地のデルタであるそうだ。
何人かあらわれる、森の中に一人暮らすmountain manが格好良い。
あと、インターネットがすごいと思ったのは、ユーコン川には橋が2か所しかない。そのうちの一つがパイプラインだ、と書いてあり、ちょっと興味を持ってグーグルマップで検索したら、あっさりその風景をパノラマ写真で見ることができた。
確かに、パイプの支柱に本の通り、放熱板がとりつけてある。
すごい時代だ。
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