宇野薫選手が出場した回のビデオを見たのだが、あまり楽しそうに見えなかった。
命がけの危険な戦いなので「楽しい」、という気分にとてもなれないのかもしれないが。
その昔、ヴァーリトゥードジャパンに出てきたシューティングの選手たちは「小よく大を制す」というロマンを求めて戦いに乗り出したのではないかと思う。
だから軽量級の中井選手がヘビー級のゴルドーと戦ったのだと思っている。
でかい奴がいきっていても、関節を取ってやっつけてやる。
当時の総合格闘技には、そういう価値観をひっくり返す楽しさがあった。
しかし、技だけではパワーに勝てない事がMMAが広まる中で分かってきた。
そして、きらびやかにショーアップされた舞台でオートメーション的に次から次へと血に染まったオクタゴンに送り出されて戦う選手たちの中で、宇野選手がなぜか気の毒に思えた。
上手く言えないが、宇野選手がショーの一部品・パーツであるような、金のために血を流し殴り合わされているような、そんな風に見えた。
今のMMAは選手がロマンを持って挑める舞台ではないような気がする。
才能のある人が、厳しいトレーニングして、勝つことで大金を得ることができるのだろうから、そういうサクセスのロマンはあるのだろうけど。
残念ながら、宇野選手の戦いを観戦させてもらった際に、高揚はまったくなかった。
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