ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ワインメーカーズワイン

2010年10月07日 03時20分18秒 | ワインの事

もう10数年前でしょうか?あるワイン雑誌で世界のワインメーカーにアンケートをとっていました。

その中で「ホッとする時に飲みたいワインは?」と言うような質問があったのです。で、世界の連中が答えたのが「リースリング」です。

折りしも、オーストラリアのリースリングが注目され始めた頃です。

それまではリースリングと言えばドイツの甘口、アルザスの辛口、と決まっていたと言って過言ではありませんでした。

オーストラリアのそれは、簡単に言えばアルザスタイプです。辛口でフレッシュ。しかし、それだけではない不思議なチャーミングさがあります。華やかでフルーティです。それとリースリングの奥に潜むミネラル感もしっかり。グラスを回すとペトロール香という重油やガソリンを思わせる香りがにじみます。エッ重油?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、なかなか心地よい香りです。

しかし一時(今もかも)その重油香が突出していると感じたことがありました。過ぎると他のチャーミングさが見えなくなるのです。

さて今月のワインの中にピーターレーマン.エデンヴァレー.リースリングと言うのがあります。これは綺麗です。アルコールはニューワールドにしては控えめな11度。スルスルと喉を通ります。酸の具合もフレッシュさを演出しますが過剰ではありません。なんと言っても「さあ飲むぞ!!と気負う必要がないのです。ラク~~~なワイン。

私としては貝類と合わせるのが好きですね。あと、白身の鳥の胸肉をさっぱり目に仕上げたもの。しかし、それだけで食前酒、と言う手もありです。

ワインメーカーズワイン。世界のワインメーカーが望んだのはこういうワインではないか、と私は思います。皆様も一度その真意をご確認ください。