3種のワインをグラスでお出ししています。
その内の一つは過去使っていなかった地方のものです。
イタリア料理のお店なら当たり前の品揃えですが、そむりえ亭は国に囚われない品揃えを標榜している筈なのに、これまで使わなかったのが不覚ですね。
さて、本題。
イタリアの地図でいうと右=ふくらはぎの辺りのアブルッツオ。
ここの赤ワインはモンテプルチアーノ種で造られます。トスカーナの同名の地区と紛らわしい品種名です。一説ではこの街から持ち込まれてきた枝分かれの葡萄とも言われています。
私の若い頃は「安物」の印象でしたし、事実低価格なワインばかりで「コレッ」っていう特徴を感じませんでしたね。
しかし、この20年位の間に徐々に力をつけてきます。剪定をキッチリ行い、丁寧な醸造を行うと「贅肉の無い男前」になります。
各社のそれ=モンテプルチアーノ.ダブルッツオは概ね1,000円台で買えます。また、その各社が上級品も造るわけですが、これも3,000円位です。
今月そむりえ亭が使っているのは「グランサッソ.モンテプルチアーノ.コッリーネ.テラマーネ06」です。選ばれた地区のもので上級に当たります。
非常に濃い色です。空のグラスに色が残るほどです。しかし、香りは重苦しくありません。ニューワールドの様に新樽で長く寝かせていないからでしょうか?フレッシュな果実も感じられ、中に柔らかい樽香が滲む感じです。
しっかりしたタンニンはあるもののヤンチャではありません。アフターに残る苦味と適度な酸がバランスをとってアルコールの強さをマスクしています。
「贅肉の無い男前」というのは、そんな印象からです。
牛に合わせたいですね。ソースはやや甘みを伴ったものがいいかもしれません。
上級品と書きましたが、それでも他の産地の並級のお値段です。気楽にお試しいただけると思います。
「ふくらはぎのワインある?」って聞いてください。お料理と共にお勧めしたいと思います。