ビールや日本酒、或いはウィスキー等には基本的にヴィンテージ=収穫年表記がありません。
穀物原料の酒の特徴なのかもしれませんが、素晴らしい技術(例えば米を削るetc)が気候の差をカバーするのでしょう。
ワインは収穫年によって同じ畑でも味わいが大きく変わります。気候によるものです。また、同じ様な気候でも葡萄の能力が変わったりもします。
よって私達は上手にヴィンテージと付き合う必要があります。
強い年、と呼ばれるものは若いうちは固くジャジャ馬のような事があります。待つか、デキャンタして和らげるか、手がかかります。
弱い年は早くから楽しめます。或いは早い内に飲みきらないといけない事もあります。
暑い年でも近年は夜まで暑い、いわば日本の夏のような気候、はワインの命とも言える酸が足りない、という事が起こったり。葡萄によっては影響を受けにくかったり。
難しいですね。
時折、「良い年」「悪い年」と分類する方がいらっしゃいますが、それは勿体無い話です。
シチュエーションによって「どのクラス」の「どのヴィンテージ」をその場にふさわしい価格で楽しむ、という事が大事な事だと思います。
そむりえ亭の場合は、グラスで薦めるレストランですので「飲み頃まで遠すぎる」ものは殆んどお出ししません。が、逆に「ちょっと若めのものをいじめて和らげてお出しする」という作業をします。この辺は皆さんの参考になることも多いかと思いますので、ご興味ある方は私の作業を覗いてみてください。
さて、先日から開けているカリフォルニアのバックヴィンテージは老舗「ボーリューヴィンヤード社」のものですが、もう少しあります。安いヴィンテージのワインの熟成の見本です。
「貰いもんのワインがあんねん」という方は是非お試し頂いた上で参考にしてください。
お待ちしています。