ある意味、ロワールを代表するワインといって問題ないワイン「サンセール」
ロワール河は長い河で上流、中流、下流とタイプの違うワインを造っている、と言う話は書きました。
しかし、中流、下流のワインは世界的には充分な認知度があるとはいえません。それが証拠にニューワールドと呼ばれる国々でヴァラエタル=葡萄品種名の付いたワインとして殆んど造られていないのです。
しかし上流域のワイン、つまりソーヴィニヨンブラン種の白は世界中で造られ、特にニュージーランドでは中でもサンセール地区を越えようと頑張っています。
つまり世界品種であるソーヴィニヨンブラン種の代表格としてサンセールは君臨するのです。
さわやかな酸、適度なミネラル、清清しい青草を思わせる香り。そして薄くないボディ。場合によってはフルボディと言う事もあります。しかし、重くないのです。
ライバル、ニュージーランドのものがトロピカルな風情があったり、むせるような香りがあったりするのに対して、サンセールは何かが突出しているのではなくバランスが体操選手のようです。
今月は、その名も「シャトー.ド.サンセール」
スタンダードの白、樽熟した上級ワイン、そしてピノノワールによる赤が開いています。
上級品は樽熟しているからと言ってシャルドネとははっきり異なります。ソーヴィニヨンブランはソーヴィニヨンブランです。むしろ樽熟によって個性が開いているかもしれません。
ピノの赤についても以前のこの地のものと格段の差に進歩しています。ピノノワールらしさが前面に出ています。
サンセール、紛れも無くロワールの代表選手です。
どうぞ色々お試しください。