「樋口さん、好きなワインは何ですか?」「どのワインがベストですか?」などと聞かれるのです。
いつも答えは同じなんです。「好きなワインもベストのワインもありません」と・・・・
例えば鹿児島に行って北海道料理は食べたくありませんし、新潟の酒も欲しくありません。
そこならではの味を求めます。
同じ様に、ワインも「そこで今美味しいと思えるものを勧めて欲しい」につきます。
また「その特徴が、このタイミングで美味しい」ように頑張りたい。
凄いワインも毎日それだけを飲んでいれば、飽きが来ます。
色々なものが体に入って幸せなのが私だし、それを皆さんに紹介したいのも私です。
色んな農家の方が色んな思いと労力で「それぞれのワイン」を造っています。
勿論、コストパフォーマンスは大事ですし、時折失敗作のワインもありますね。
リストを構成する上で「今月はこのタイプは強いタイプにしなければ埋没する」「次月はあのワインを入れるとなると、他のはメリハリの効いたアレを選ぼう」というような指針はありますし・・・・
しかし、私の中には優劣はありません。
今月、必要かどうか?価格が見合っているか?です。
こんなことを書くと「愛情を感じない」と言う人がいらっしゃるかもしれません。
いえいえ、愛情の塊です。
だって子供の様なワインに優劣はつけられませんね。
良い舞台に、似合う衣装で上がらせる。
というのが、私のワインへのスタンスなんです。